ぐらしあすの「入院森田療法と音楽会」

先日実家の部屋を片付けていると、1本の音楽カセットテープが出てきた。
タイトルに「LIVE 1998,3」と書いてあった。
はて?早速そのテープを聴いてみた。
それはぐらしあすが神経症治療を受けるために横浜の某精神科病院に3か月入院していた時のものであった。

それは森田療法グループの音楽会のテープで、1バンドと5名が歌や曲を披露していたものだった。
恥ずかしながらぐらしあすもギターで1曲弾き語りをしている。

森田療法の内容については過去ログに記載しているものもあるのでここでは詳しくは割愛する。

そのカセットテープの中身は、エリッククラプトンのティアーズインヘヴン、長渕剛のとんぼ、藤井フミヤのTRUE LOVE、ピアノ演奏は2人で、エレクトーンが1人。

入院森田療法は約20名ぐらいのメンバーで構成された、医療機関の中での自助集団のようなもので、1か月の生活スケジュールをメンバー皆で決める。
今回の音楽会はその中の一つ。

この音楽会の為に、ある看護師さんはわざわざギターのピックを買ってきてくれた。

その音楽テープを改めて聴いてびっくりした。
出演者はユーモアも交えて、歌は音程狂わず、ピアノもエレクトーンも不協和音のない完璧なものだった。
クラシック曲を演奏し、そのあとは自作曲も演奏していた。
なんとも表現しがたいメロディアスでテクニカルかつ、どこかしら切なさを感じる曲だった。

ぐらしあすが属していた当時の入院森田療法のメンバーは、会社員、フリーター、無職、学生、獣医師、公務員、教師などであった。

居住地域、立場、職業、年齢様々である。

その音楽テープを聴いて改めて感じたことは、出演者を含むグループの多くが繊細で、特技を持ち、責任感が強く、完璧主義の人々が多かったのだと思う。
責任感が強いからこそ、本来の自分と、こうありたいという自分との乖離に対する葛藤によって神経症は生み出されているのかもしれない。

あれから25年たった。同じ苦しさを持った人々が同じ目標に向かって合宿をしていたような楽しい記憶が残っている。

今連絡を取り合っている人はいないが、皆、今はどうしているのだろうかと考えることがある。

おそらく皆そう大きく変化しているというわけではなく、入院森田療法を経験し、「あるがまま」の神髄を「あるがままという言葉さえ時折思い出すくらいで(良い意味で)」、日々を重ねつつ、こつこつと生活をしているのであろうと推察する。

森田療法の「目的本意」の究極の先には「気分本意」が存在することを、皆が気づいていることであろう。

ディプレッションまっさかり。ぐらしあすの「こころの声」を中心に、自分が体験したことや、時折感じる何のエビデンスもない、主観の記事も徒然に書いていきたいとおもいます。よろしくおねがいします。