もう しばらく開けることもなく、すでに忘れ去っていた部屋だったのに、少しの好奇心から覗いてみることにした。
其処此処にある物には、やはり埃がかぶっていたので「フゥー」っと息を吹きかけてみる。
陽のひかりに照らされキラキラ舞い散る様を見つめながら、少しの懐かしさと人の気配がなく閑散としているのを感じた。
「もうここは、わたしの居場所ではないのかもしれない」
自分が空けたままにしておきながら、ふっと物哀しい気持ちになる。
人の感情というものは、なんて我儘なのだろうか。
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