見出し画像

唯一無二のおもてなしを実現するために〜今すぐ出来る3つのステップ ⑤あめつちメルマガ【vol.09】

今号では、前号からの続きで、顧客体験を実現するためのインタフェース(価値を提供する媒介)とサービス(提供価値)を設計していくプロセスをご紹介いたします。
 
>>前号の記事はこちら

 インタフェースが決まり、サービスが決まると、貴社のあるべき姿を表す【TO BE】のカスタマージャーニーが、いよいよ完成に近づきます。

実際のカスタマージャーニーの完成までには、再度のチェックや細部の見直しが必要になる場合もあります。

しかし、こちらは間違いなく今後、貴宿が進むべき方向を示す大事な羅針盤となるものですので、ぜひ一つ一つのステップを丁寧に行なっていくとともに、時々これまでの内容を振り返り、全体を俯瞰しながら進めていただけたらと思います。
 
――――

さて前号では、宿の提供価値のゴール、つまりその宿の【TO BE】が「お客様が宿に宿泊することが、最高の記念日になる」であることを想定して、実際に顧客体験設計をしていくプロセスの一部をお届けいたしました。

お客様が宿泊施設で滞在される間には、チェックインからチェックアウトまで様々なシーン(ステージ)があるため、到着直後のお客様に焦点を絞って、そのお客様に対してどんなサービスを提供できるか?を、一緒に考えていきました。

また、顧客体験設計に入る前に、「属性」、「導線」、「感情」、「行動」、「目的」の5つの要素をもとに、現在のお客様の姿を紐解いていったことで、さまざまな情報が見えてきたと思います。

貴宿のお客様をしっかり観察することで得られた情報は事実であり、顧客体験設計を行う上で、非常に重要な手がかりとなるもの。これらの情報をもとに顧客の解像度も上がるため、どんなサービスが提供できるか?という具体的なアイデアが浮かんできたという方も、中にはいらっしゃるかもしれません。

では、ここからは実践編となりますので、ご自身が実際に顧客体験を設計していくことを具体的にイメージされながら、先を読み進めていただけたらと思います。

大事なポイントですので繰り返しになりますが、ここで改めて、このお宿が提供したい顧客体験とは何か?というところに立ち返ってみましょう。

前回ご紹介した、顧客体験設計を行う上での最重要ポイントを、再度思い起こしていただきたいと思います。

それは、

「先ず提供したい顧客体験を定義して、逆算でインタフェース(価値を届ける媒体)とサービス(提供価値)を考える」

ということです。

 
つまり、この宿が提供すべき顧客体験として定義した「お客様が宿に宿泊することが、最高の記念日になる」という大事な目的・ゴールに向かって、どんなインタフェースを介して、どんなサービスを提供できるか?を考えていくという流れになります。

ちなみに、ここでいうインタフェースとは「価値を提供する媒介」の意で、お客様にサービスを提供するためのすべての方法、手段のこと。つまり、アナログ/デジタルに関わらず、そこで働く人、モノ・コトなど、広範囲にわたってサービスを届ける媒介となるものが、こちらに該当します。
 
さて、これを踏まえて改めて前号でご紹介した図をご覧いただくと、4つ目の要素の「行動」のところでは、「お客様がラウンジで過ごすことが多い」という「場所」情報が見えてきました。
 
そこで、この宿ではお客様の到着後に、ラウンジという場所を最大限に生かして顧客体験を設計するのが良いだろう、という仮説が立てられるのではないかと思います。
 
さらに、ラウンジで過ごす「目的」は、前回の内容から「宿の世界観に浸ること」、「移動の疲れをしばし癒すこと」、「情報収集」などが見えてきました。

これらの顧客情報から宿が提供したい価値と、顧客ニーズの両方を十分に鑑みた上で、宿が目指したいコンセプトである「宿泊することが、最高の記念日になる」というゴールに向かって、最適なサービスをつくっていきます。
 
では上記をもとに、インタフェースとサービスを考えた場合、どのような内容が想定されるでしょうか?
 
まず、インタフェースですが、宿泊施設内のラウンジで提供する顧客体験となりますので、自ずと「人」に限定されてくるのではないかと思います。

まるで記念日のような記憶に残る瞬間をお届けするためには、ラウンジで働くスタッフの存在が欠かせません。また、記念日は特別な日を演出するために、支配人自らサプライズで登場してお客様ご挨拶をするといったサービスも喜ばれるでしょう。
 
また、この他にも、特別な日のために、お客様のお誕生日(星座)に因んだドリンクを提供するといったサービスも素敵ですし、ラウンジの中でもとくに見晴らしの良いお席を確保して、その場所にご案内するといったサービスも、お客様にとっては心温まる瞬間を演出できるのではないかと思います。

また、せっかくですので、インタフェースが「人」を介したサービスに限らず、応用編として、別のシーンで提供できるサービスを考えてみるのはいかがでしょう。
 
仮に場所がラウンジではなくお部屋であった場合、人ではなく、デジタルを介したサービスというのも、新たなアイデアとして浮かんでくるはずです。
 
たとえば、最近では、お部屋にTV以外に館内のご案内などでデジタルデバイスが設置されているところも増えてきている中で、デバイスを活用して、お客様にビデオメッセージを届けするサービスなどはいかがでしょうか。
 
お部屋到着時にふと目に留まったデバイスに、お宿からの想いが込められたメッセージが自分宛に届いていたとしたら、お客様はどんな気持ちになるでしょう?
 
思いかげないサプライズを受け取って嬉しい気持ちになるだけでなく、もともとその宿に抱いていた印象がさらにアップ、評価もぐんと上がるかもしれません。
 
また、旅の思い出話を友人に話す際に、「そういえば、こんな嬉しいことがあった!」と、話が盛り上がるかもしれませんね^^
 
今回、例としてご紹介させていただいた内容は、「お客様が宿に宿泊することが、最高の記念日になる」という顧客体験を実現するためのサービスの一部となりますが、ぜひこちらを他のステージにも当てはめて、一つ一つ、丁寧につくり込んでいっていただけたらと思います。

ご参考までに、以前ご紹介したアパレルショップの現状の課題を踏まえて、あるべきカスタマージャーニーに落とし込んだ内容をご紹介させていただきます。

ぜひこちらをご参考にしていただき、貴宿における最適な顧客体験を設計されてみてください!


繰り返しになりますが、サービスを考える際には、「お客様にどんな価値を提供できるのか?」、また「それを受け取ったお客様にどんな気持ちになっていただきたいか?」ということを、顧客起点に立ってありありと思い描いた上で、インタフェースとサービスを確定させていただければと思います。

一つ一つのプロセスをしっかりと考え抜くことによって、その場所だからこそ提供できる価値、貴宿らしさが光るオリジナリティあるサービスのあり方が、きっと見えてくるはずです。

ーーーー
 
さて、これまで5回にわたってお届けしてきたメルマガでは、貴宿が選ばれる宿になるためになるための重要な施策の一つとして、【TO BE】のカスタマージャーニーの落とし込みのプロセスについて、順を追ってお話ししてきました。
 
そして最終回である今号では、実施の顧客体験設計のプロセスについても、いくつかの事例を踏まえながらご紹介ができました。
 
皆さまに少しでも具体的なイメージを持っていただき、今後、貴宿の実践の場でお役立ていただけたら嬉しく思います。
 
途中で難しく感じられることも多々あったかもしれませんので、今後は本シリーズでお伝えしてきたことをベースに、ホワイトペーパーで詳細をご紹介予定です。
 
ぜひ、楽しみにしていてください。



\「また泊まりたい」を加速するDX+ECはココダケ/
「cocodake(ココダケ)」は、宿泊体験DXと+物販EC機能を併せ持ち、
顧客満足度の向上、業務効率化と収益向上を同時に実現する、
ツーリズムコミュニケーションツールです。

現在、全国の宿泊施設様を中心に導入いただいております。
ご興味のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談下さい。




 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?