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僕はそんなに怪しいか! 2024/03/01

 今日、フリースクールへ向かう途上のこと。最寄り駅で降りてエスカレーターを下っているとき、不意に横から声をかけられた。振り向くと、駅の構内にいた警官二人。普段あまり見かけないので不審に思ってぶしつけにもじろじろと眺めていたからなのか。
「すいません、少し時間をいただけますか?」
 この声を受けて真っ先に思ったことは「僕はそんなに怪しいのか」ということだったのだが……
「どこに住んでいるんですか?」
「〇〇〇〇です」
「いま何歳ですか?」
「14です」
「え?14?そうですか……」
 二人組だったのだが、うち1人はいかにも新人といった風でおもにそっちが話しかけてくる。もう一人はまったく口を開かない。
「学校へは?」
「フリースクールへ通っています」
「え?フリースクール…?」
「そうです、どちらかといえば私立といったところです」
「なるほど…手荷物検査、させてもらってもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
 このあと彼はすべてのポケット(7つ)をさぐったのだが、当然出てくる怪しいものなどない。空になったポケットティッシュの袋だけだ。一通り終わった後、また声がかかる
「カバンの中には、やはり学習用具が?」
「いえいえ。それはすべて教室に備え付けています。中に入っているのは本だけです」
 これで末広鐵腸の「雪中梅」や小林多喜二の「蟹工船」などが入っているのであらばかなり怪しい言動になっただろうが、幸いそういったものは今日は持ってきていなかった。
「そうですか…ご協力ありがとうございました」
 といって彼らは去っていき、僕は解放された。ポケットの検査をしてバッグの手荷物検査をしなかった理由がわからないのだが、ひとまずはそれで終了。教室にて皆に聞いたのだが、残念なことに職質を受けたのは僕のみだったようだ。

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