見出し画像

Ep25.チケット届き函館最終日・・・ 函館編5

2001.4.4

 朝目が覚めるとトイレで冷たい水で顔を洗う。もう毎日このパターンだ。トイレから出ると早速ミユキちゃんの姿を発見。俺もそうだが彼女もまるで函館駅の住人だ。

 ミユキちゃんは今日の昼のバスで北見に帰るそうだ。昼まで話しに付き合う事にした。「函館らしい物を何も食べてない!」と言う彼女を連れて魚市場へ。定食屋に入り俺はうにいくら丼、ミユキちゃんはいか刺し定食を食べた。いわゆる観光客向けの店としてはそれほど高くなく味もまぁまぁ美味しかった。

 駅に戻るとミユキちゃんはまだ帰りたくない様子。ここで帰ると当分彼氏には会えないのだから仕方ない。

「もう一泊してもいいんだけどなぁ・・・でも夜まで時間潰すの大変だしなぁ・・・」と寂しそうにつぶやく。分かりました、付き合いましょう(笑)

「じゃあバスの便変更して夜まで一緒に遊ぼう。函館山でも登ってみようか?」と提案。迷って決めかねている彼女に多少強引にバスの変更の電話をさせたのだが満席で変更できなかった。しょうがない。

 という訳でバス停で北見に帰るミユキちゃんを見送った。本当は彼氏に見送って欲しいだろうがそれは我慢してくれ。彼女はバスの後部席から名残惜しそうに手を振ってくれ、バスが角を曲がり見えなくなってしまうまでずっと手を振ってくれた。

 それから函館中央郵便局に寄ってみたら大阪のフクダ君からチケットが届いていた。よし!ようやく明日は移動できる!

 そして函館駅に戻ると急激に睡魔が襲ってきて待合いのベンチで横になり爆睡してしまった。目が覚めたら外はもう日が暮れていた。

 夜は「北の家族」と言う名前の居酒屋に入る。チェー ン店の「北の家族」と名前は同じだが全く無関係の普通の地元の居酒屋だった。焼きそばとサーモン刺し、塩辛をツマミにビールを飲む。旨し!

 北の家族を出てからいまいち寒さでテンションがあがらず。気温は4度。今夜は演奏は無しにしよう。こんな日記で申し訳ないが本当にどうしようもないくらい寒いのだ。許してくれ。

 それからコインランドリーで洗濯をして函館駅に戻った。今日も同じくベンチで眠りにつく。これで何日目だ?周りのホームレス達も同じような顔ぶれで大概顔見知りになっていた。

 明日は仙台。どんな出会いが俺を待ってるだろう?この旅もあと少しで終わろうとしていた。おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?