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マインドマップから、子どもの教育を考えました。今日の言葉#57

こちらの記事を読んで
マインドマップに興味を持ち、始めてみた。

いつも一日の始まりに作るtodo listを
ただの箇条書きではなく、
マインドマップにしてみたら、
確かに一つ一つのtodoのtaskの関係性が見えてきて、
頭の整理がつきやすい。

更に興味を持ったので、
このマインドマップの考案者
トニー・ブザン氏のTed talkを聞いた。

The Power of a Mind to Map: Tony Buzan (English)

英語transcript

彼の話は、情報や知識の整理の話から、
最後には、
子どもの想像力をいかに大切にすべきか
という教育の話に展開していた。

おもしろい!

なるほどと思う気づきがたくさんあったので、
そちらをシェアしたい。

1. マインドマップは脳内の思考プロセスと同じ

マインドマップは、
あるテーマやイメージを中心に書き、
そこから連想されるキーワードを
放射状に書いていく。
そこから枝分かれして、
更に細分化していったり、
そのキーワードに並列させて、
他に連想されるものを書いていったりして、
連想の網を広げていく。

Ted Talkの中では
「『マンゴー』と聞いて、頭に浮かぶものは何ですか?」
と聴衆に質問していたが、
「マンゴー」と聞いて、思い浮かぶものは
マンゴーの絵だろう。
「マ」「ン」「ゴ」「ー」という文字ではない。
そう。絵でありイメージ。

そこからマンゴーの色や味や
色々なものが付随して連想されていく。

それは蜘蛛の巣が広がっていくような
網が広がっていくような思考であり、

実は、そもそもそれが脳の思考プロセス
脳の働き方なのだ、という話。

うん、そうか、
どんな認識も記憶も、
ある事象から何かを連想、ネットワーク
させながら、作り上げられている
んだ。

なるほど、それをマインドマップに落としてみると、
脳の働きと同じように物事が認識されて
頭が整理されるというわけか。


2.「想像」と「連想」こそが人間の言葉

以下はトニー・ブザン氏の言葉。

The human language is imagination and multiple sensory associations. That’s the way we all speak primarily. The other languages, verbal, are subroutine – important second routine. And that is the genesis of all creativity, all thinking. And that’s how mind maps are generated as well.
"Tony The Power of a Mind to Map"
Tony Buzan at TEDxSquare Mile

 人間の言葉というのは「imagination 想像」と、いくつもの、五感と関連する「association 連想」である。もう一つの、話す言葉(verbal language)は、大事な二番目の言葉。この「想像」と「連想」によって、全ての「creativity 創造」と「thinking 思考」が生まれる

単純な「マンゴー」という物質は、
簡単に脳内にイメージが浮かぶけれど、
物事が複雑になってきたり、思考が複雑になってくると、
それをクリアに想像できなかったり、モヤモヤしたりする。

マインドマップを書くことは
その思考を整理するのに役立てられる。

ちょっと話は飛ぶかもしれないけれど、
例えば、小説が、人間の複雑な思いを巧みに言語化し、表現できている時、私たちは、そのモヤモヤがクリアになった爽快感と、その技術に感服したりする。
それもきっと、そもそも人間が考えている事象というものは、言語化されていないものも多くて、だからそれが複雑化してくると、頭の中でぐるぐるしたり、整理できずにモヤモヤしてしまったりする。
言語化することは「想像」を助け、その思考をクリアにしてくれる。
小説は、モヤモヤとしたイメージを言語を使って明確に読者に届けようとしてくれる。そういう面白さがあると思う。


3. 大切にしたい子どもの空想する力

トニー・ブザン氏は話の途中から、
人は大人になるにつれ、想像力を失っていくが、
それはnormalなことだけど、
naturalなことではないと言っている。

悲しい例として、こんな話をした。

地下鉄に乗っていて、
近くに5歳ぐらいの子どもと母親がいた。
その地下鉄は、どんどんスピードをあげ、
もうぶつかるのではないのかと思うぐらいの
スピードになった。
その時に5歳ぐらいの子どもが言った。
「ママ、すごい速くなってきた。
私たち、明日に行っちゃうかもしれない。
そしたら、パパに明日何が起きるか教えられるね」

そして、その母親は言った。
「やめなさい!
二度とそんな風に考えないで!
バカなことを言わないで、
もっとちゃんと考えなさい」

そうやって、子どもの空想が一つ壊れた。

「空想」と「想像」について私は考えてみた。

「空想」は、現実にあり得ないことに頭をめぐらすこと。

5歳の子どもは、
ものすごくスピードを上げる電車を
時空を越える乗り物だと想像した。
そのイメージや連想は、
現実的ではない「空想」かもしれないが、
そうやってイメージ・連想できることが、
人間の可能性を大きく広げてくれる。
人間のcreativity創造とthinking思考の
可能性を広げることになる。

何かを見たり感じたりして、
そこから何を連想させられるか、
そもそも、人間は想像と連想でものごとを
とらえているとしたら、
それをどれだけ膨らませられることができるかが、
どんなイメージを抱けるか
どんなものと関連づけられるかが、
どれだけ脳を働かせることができるか
どれだけ頭を使うことができるか、
という人間の可能性に繋がるのだろう。

連想されるものが限られてしまえば、
思考が行き詰まりやすくなるということ。

その時の5歳の女の子の発想が、将来、
物理学の重要な大発見と
結びつくかもしれないし、
アート、文学や詩など、
素晴らしい芸術を創り出すかもしれない。
もしくは、自分の人生に行き詰まった時に
解決する思考の糸口になるかもしれない。

そもそもトミー・ブザン氏は
人は生まれながらにして、
科学者であり詩人である、と言っている。
彼の、詩人である友人の言葉を借り、
子どもたちは、将来羽ばたけるように
世話をしてあげるべき卵だと表現している。
その柔らかくて壊れやすい卵の殻の中にある
子どもの脳、子どもの想像力を
大事に育てていきましょう、と。

私は、改めて、
子どもが想像と連想を名いっぱい楽しみながら大人になれるよう、
応援してあげたいな、
せめて子どもの想像を否定してしまわないよう
気をつけたいな、と思った。

今日の言葉#57

空想している子どもの脳には、
とてつもない大きなマインドマップが広がっているのかもしれない
hana







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