宇宙逃避行
明日はどこへ行こうか。
熱い風を感じに火星へ
仕事で疲れ切った体を癒しに水星へ
ちっぽけな悩みを消しに木星へ
眩ゆい神秘を見に金星へ
軽い運動に土星へ
この星はどこまで行っても
おんなじ道が巡らされ、
おんなじ人と、おんなじお店と、おんなじ景色ばかり。
手を握る君の瞳がぼんやりしている。
私はその横でなんとも健気な気持ちで握り留めている。
ここにいる限り、私たちには永遠なんてやってこない。
刻一刻と欠けてゆく。
宵の明星が空気を冷ましてゆく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?