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事業の数字を見る(3)

あめにきのオフィスのnoteでは、スタッフが仕事をしてきたうえで気がついたことを、書いていきます。
7月は隔週(別の記事と交互)で、月曜日に更新する予定です。

試算表を作る目標

試算表(合計残高試算表)は、1か月単位で作成する貸借対照表と損益計算書です。
これを作成することで、売上や経費の増減、手持ち現金の状況などを把握することができます。

試算表は、目標を決めて作るとよい、という点を前回書きました。
今回は、その続きです。

試算表をぜひ作りたい、作るべきだ、というタイプの会社が、いくつかあります。
その一つは、借入れをしている会社です。
借入れをしている会社は、返済計画を立てて常に更新していく必要があります。
そのために、無理なく事故なく返済できるかどうかをチェックし、そして必要であれば、追加融資やリスケという手を打つための判断をするために、試算表を作成するわけです。

この場合の試算表にとって大切なのは、短期的には現金の流れ、そして長期的には売上の推移です。

まず第一の、現金の流れです。
会社の金庫に現金があっても、会社の口座に現金があっても、それがすぐ経費として出ていく予定なのであれば、借入返済のあてとすることができません。
現金出納帳や銀行通帳は、今現在いくらの現金があるのかを教えてはくれます。しかし、その現金の「性格」、例えば月末の給料支払いに消えるお金なのか、租税公課の支払いのためのお金なのか、あるいは当面使う予定のないお金なのか、ということについては教えてくれません。

現金について、この点についての説明をつけて、後に残る金額を示してくれるのが、試算表です。
今後の数か月や数年の単位で、収入や支出を予測して、必要な現金がきちんと手元に残るかどうか点検します。借入返済のための現金はもちろんですが、事業を継続するための経費をきちんと払えるかどうかも大切です。

そして次に、売上の流れです。
長期的に見れば、非常に大切になる数字です。「借入は売上で返す」という大切な原則のためです。
また融資を行っている金融機関にとっても、会社の売上の計画は、何より重要視するものです。

売上を増やす場合には、仕入や人件費、店舗賃料などの経費も上がっていきます。そのための基礎体力ともいえる現金が計画的に手元にあるかどうか、経費上昇に対応する売上増となっているか、という点が大切になります。

以前、私が関与していた会社の代表が自分で作成した試算表では、人件費をどんどん削減しているのに売上が上がっていくという状態でした。
融資先にできるだけいい数字を見せるために作ったようなのですが、しかしこれでは、融資先は、従業員がいないのにどうやって商品を製造していくのか、と疑問に思うはずです。

次回に続きます。

*個人事業主や法人成り会社あたりの規模の経営者の方は、労務・広告・法務・経理、さまざまなサポートについて迷うこともあると思います。
ぜひ、「あめにきのオフィス」にご相談ください。(このnoteを書く最大の目的は、もちろん広告です。)

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