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SEBASTIAN X 「イェーイ」

 2023年7月14日

 昨日は,相方の柿田さんが体調を崩し,トウフーというユニットライブでピンで出させていただいた.今日は,コントというライブにピンとうさぎマンボというユニットで出させていただいた.

 トウフーでは,けんぞうさんとキャプテンバイソンの高野さんとお話しした.お二人とも毎回会うたび話すけれど,お互い感覚で話しているから,内容をあまり覚えていない.確か,三人でけんぞうさんの掛けている眼鏡のレンズは縁取りがないというような話をしたと思う.

 あと,レインマンズさんが,ユニットメンバーとなった.いつかお話ししたいと思っていたのだが,ここ最近すごく仲良くなった.嬉しい.ただ堀越さんの手はすごい冷たくて,「夏なのに冷たすぎですよ,手」と言うと,何故かにこにこしていた.

 一人でネタをやるのは怖い.間違えても自分ではフォローできないし,自分でネタのテンポを作っていくしかない.僕は加減が苦手で,すぐにフルスロットルでテンションを上げてしまう.

 一応,ピンネタを二本作って,それぞれやってみたのだが,どれもあまり納得のいくものではなかった.ただ,自分の出来がストレートにお客さんの反応に繋がるピンネタは,どう足掻いても自分のみの責任なので,逃げようがなく気が楽である.


 トウフーでは出囃子を決められる.ピンネタを作らないといけないのに,すごく悩んでしまった.そして,SEBASTIAN Xの「イェーイ」という曲にした.候補は数えきれないほどあったけれど,今の僕はこの曲だった.


 去年の夏,僕はすごく尊敬していた友達との関係を絶ってしまった.たくさんの蝉の羽化を見た日だった.真っ白な羽をこしらえて,全身にはち切れんばかりの気力を纏わせつつも,ただじっと静かに飛び立つ時を待つ蝉.それは薄く射す月の光を帯びて,発光していた.

 その人の持つ熱情,そして生き方はすごく綺麗だった.凡庸な表現だけれど,光のようだった.その分,僕は僕自身を醜く感じてしまった.僕は僕自身を,まあ今も,掴み切れてないから,その人と比べて恥ずかしくなってしまった.そして,どうしても辛くなって,それをその人に話した.影だった.そうしたら,また元気になったら,会いましょう,ということになった.

 僕は,自分を見つけることが出来たら必ず連絡しますと伝えた.その人はなら次会う時は,またお互い素直に話しましょうと言った.それから,その人が生き方を教わったと言っていたSEBASTIAN Xの曲をずっと聴き続けている.

 僕の記憶の中から,その人の言葉や感情は消えていく.本当にどうしようもないなと思う.けれど,曲を聴くことで,ぼんやりとその人が僕の中にもいる気がする.そして,その人が一番好きだった曲がSEBASTIAN X「イェーイ」だった.既にSEBASTIAN Xは解散してしまっていて,今はボーカルだった永原真夏さんがソロを主として活動している.突き抜ける風のような声が好きだ.


 嘆いても,傷つけても,ぶん投げても,結局何も変わらず,僕は僕であり,僕は僕自身から逃げられないから,だから,うようよぐるぐるせず,どうしたらより良い人間になれるのだろうかとメモをしたりしている.そういう風に最近は,できつつある.進歩!あと,無理にでも口角をあげると,単純なもので,なんとなく楽しくなる.

「歌声に花束 涙はアゲハ蝶々 瞬け,羽ばたけ,悲しみをジェットに変えて」


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