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「話せなかった人」として漫画を描いてきた6年間の事1

こんにちは、モリナガアメです。
ここのところ、あまり場面緘黙関連について自分の気持ちを発信したりできていなかったのだけど、チップ君の漫画で自分の事について久しぶりに描いて、今まで見守ってくださっていた方には「おやおやどういう事…?」と思うような部分もあったと思うので、改めて場面緘黙漫画を描いて発信をし続けてきた約6年間の事、そして今考えている事を文章にまとめようと思う。
「お気持ち表明」的なものだと思っていただければと。

恐らく長文になるけど、今までモリナガアメを見守ってくださった方にはお暇な時にでも読んでいただけたら嬉しいです。
(長文すぎて5つの記事に分ける羽目になりましたすみません)
半分くらいは自分の気持ちを整理する為に書いてます。


2015年の春、物凄い緊張と恐怖に嘔吐きながら、「かんもく少女が同人BL漫画を描いて人生救われる話」をpixivに投稿してから6年。
気が付けば場面緘黙の本を2冊出したり、場面緘黙のトークイベントをやらせていただいたりと、「場面緘黙だった自分の過去の経験を無駄にしたくない…!」という、かんもく漫画を描き始めた当初の思いは自分なりに叶えられたのではないかなと思っている。
想像以上に沢山の人に読んで貰えて、感想や温かい言葉を頂いたり、見守って貰えたお陰で、ここまでやってくることができた。
自分の事を認める事が難しかった私は、漫画を通して背中を押してくれる人たちにも自己肯定感を得るきっかけを作って貰ったと思っています。
本当に本当にありがとうございます…!BIG感謝!!!!!!!!!

今でも落ち込んだ時や自分のしてきた事に自信がなくなりそうな時は、貰ったコメントやメッセージ、メールや本のレビューなどを読み返しては、力を貰っています。
(緘黙関連は誰か一人に返事をするとキリがなくなってしまったり、色々と慎重なやりとりが必要になってくる事も多いので、あまり個人的な返信などはしないようにしているのだけど、マジでもれなく見ています。)


そうした感謝は大大大大前提にある上で、今回は場面緘黙の啓発活動をしてきた中で感じたネガテイブな面や自分の変化についても書かせて下さい。

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2冊目の本を出したり、トークイベントをやらせていただいたあたりから、「今後もモリナガさんに場面緘黙を広めて欲しい」「場面緘黙の○○について漫画を描いて欲しい!」といった期待の声もありがたくも聞く事が増えたと感じている。

…が、大変申し訳ないのだけど、今の私には今までのようにコンスタントに場面緘黙についての漫画を描いたり、自分の気持ちを発信したりするのはもう難しいなと感じている。

と言ってもこれからも描きたい事があれば漫画にしたり、自分の気持ちをこうして文章で発信するかもしれないし、場面緘黙関連の何かをお仕事として依頼されたら予定が合えば喜んで引き受けさせていただくと思う。
書籍に入れなかった漫画やコラム、描き下ろしも含めて新しく場面緘黙関連書籍の続編のような電子書籍を作りたいという考えもある。

前々から「今後は場面緘黙以外の漫画などを描く機会が増えていくと思う」という事は言っていたし、完全に発信するのをやめるわけではないのなら、わざわざこうしてその事について改まってお気持ち表明する必要もないのでは…?という所でずっと悩んでいたのだけど、私の今後の場面緘黙関連での活動に期待してくださっている方もいると感じるので、こうして書かせていただく事にした。


自発的・積極的・継続的に場面緘黙の啓発活動を今後も続けるのは難しい。

なぜそう感じるようになったかについては、本当に色んな複合的な出来事や、自分の変化が詰み重なってなので、簡単に説明するのは難しいのだけど、おおまかにまとめると、

1,場面緘黙時代の苦しみは「かんもくって何なの!?」で、話せるようになるための試行錯誤は「話せない私研究」である程度区切りの良いところまで描き切った。
自分が日常で人と関われるようになっていくと共に、以前のような「最悪死ぬかもしれないが自分を漫画のネタだと思って観察しよう」という捨て身すぎるモチベーションを保つのが難しくなってきた。

2,虐待サバイバーとしての自分を守りたいという気持ちが出てきた。

3,場面緘黙啓発の活動の中で当事者性を搾取されているなと感じる事が結構あった。

4,この6年間は場面緘黙の漫画を描く事にステータスをほぼ全振りしてきた。でも漫画描き、モノづくりが好きな人間としてまだまだやりたい事は他にも色々あるし、この先も生きていくにはお金も必要。総合的に考えて、これ以上場面緘黙の啓発だけに時間も精神も費やして生きて行くのは難しい。

…といった所だと思う。


この4つについて次の記事からもう少し詳しく書いていこうと思う。

サポートいただけた場合、ありがたく場面緘黙についての資料の購入費・漫画を描くにあたっての画材費等に使わせていただきます。個人で制作している為、少しでもサポートいただけたら幸いです。