全てのマーケターが注意するべきコロナ時代の広告
こんにちは、アメマ速報の齊藤です。
カリフォルニア州では外出禁止命令が出されて約1ヶ月半が過ぎ、現状は5月15日まで続く見込みです。(延長されるかもしれませんが・・)
家では、テレビを観る機会も今まで以上に増えたはず。そんな中、アメリカの大手企業たちは、さすが行動が早い!コロナの状況をふまえ、各社が一斉にブランドCMを続々と流しています。
メッセージは・・
−この困難な状況下でも、我々はあなたを想っています。
−創業当初からこの気持ちは変わりません。
−我々は心で繋がっています。
−心を一つに、一緒に乗り越えましょう。
これ、一見素敵な広告ですよね?でも、
実際、視聴者の反応は?
公開後2週間も経っていない中、現在100万回以上再生され話題になっているこの動画をご覧ください。
笑ってしまうほど全ての広告が「同じ」です。
なぜこうなってしまうのか?多くの企業・広告会社はこのように考えたのでしょう。
<想定経緯>※あくまで想定です。
この状況下で、コロナウイルスに無関心だと思われたくない。販促用のCMを流しても今の状況では購買に繋げるのは難しいかもしれない・・。
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予定していた販促用TVCMの素材を企業広告に差し換えよう!世間にブランドとしての姿勢を示して企業イメージのアップに繋げよう。
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でも撮影ができない・・。今後の経済状況を考えると制作費も抑えたいところだ・・。
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既存素材にナレーションを充てれば安く、しかも早く出来る!
という流れで全ての企業が同じ方向を向いてしまい、結果的に同じようなメッセージ・クリエイティブが一斉にテレビに放映され、コロナで憂鬱な気分を晴らそうとテレビをつけた視聴者が一気に現実を思い出し、落胆する。という最悪の流れを生むことに・・・。
この流れは、本来であればとても心に響くはずのブランド・メッセージですが、各社が同じことを行ったことにより生じています。日本ではポカリスエットがいち早くZOOM画面を通じたクリエイティブメッセージのCMを打ち出していましたが、これはやはり最初に行ったからこそ多くの人に響いたはず。これから追随するのであれば、違うアプローチを考えなければいけないでしょう。
実は、視聴者の多くは、自宅エンタテインメントのツールであるテレビを通じて、気持ちが明るくなったり、コロナの状況を忘れさせてくれるコンテンツを期待しているのではないでしょうか?
今、TVCMのクリエイティブを考えている方々、是非一度周りを見渡して考えてみてください。
少し話がそれますが、参考までに・・・。
実は個人的に注目している、テレビショピング的なインフォマーシャルなんかは、大きなセットを使わずとも、ウィットに富んだ表現が可能で、視聴者の目を引き、楽しませることができてこの時代にぴったりなのではと思っています。
大胆すぎる工業用ボンドメーカー:フレックスシール社
米国の大手ボンドメーカーのフレックスシール社は毎回社長の大胆すぎるパフォーマンスCMで有名。2月に公開されたばかりのCMも好評で700万回再生を突破しています。そこには、もはやボンドの「接着」という特徴を訴求せず、大掛かりなクラフトにぴったりという内容が・・・。これをZoomやスマホで撮影することなんかもできますし、実はその方がすごく共感度が高まって面白いかもしれないです。動画はこちら。
この社長さん、自社製品で作ったボートでサメが泳ぐ海なんかを回遊したりしていて面白いので是非注目してほしいです・・!サメ動画はこちら。
本気で笑わせにかかるマットレスメーカー:パープル社
日本のCMだとコメディ"タッチ"や"くすっと笑えるオチ"に落ち着きがちですが、アメリカでも本気で笑わせるオチ付けをするCM。製薬会社風のコマーシャルですが、最後はしっかりオチが・・。動画はこちら。
過去にこんなコメディックなCMや、エンタテインメント性溢れるデモ動画がある企業は、実は今コロナを忘れたい視聴者にウケるかもしれません。
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