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1年後に先生辞める(1)

4月1日は会議づくし。
教科会議、トップ会議、職員会議
分掌会議、学年会議。

この1年を過ごす仲間との顔合わせや
年度当初の慌ただしい予定の確認など
この日は時短勤務の教員でも
最後まで留まらざるを得ない。

新転任の先生は
学校自体の説明も受けるので
頭がパンパンになっていると思う。

昨日の新規採用の先生は
なんとか最後まで自然体の笑顔で
頑張っていらっしゃった。

9年前の私は
誰がどの先生かも覚えられず
皆さんが何の話をしているのかも
さっぱりだった。

私立での講師経験があっても
ついていけない世界だったので
改めて教員の4月1日は
(暦次第で2日や3日にズレることもあるが)
毎年濃厚な日だなと思う。


学校運営に携わる者として
私は8年経っても超がつくほど
未熟者だった。

頭の回転が遅く、気も利かず
環境に慣れるのにも時間がかかる私に
「学校」の世界観は
あまりに巨大で謎すぎた。

教員は授業を担当するだけでなく
学校が学校として機能する仕組みを
それぞれ歯車となって
回さなければならない。

時間割の編成、個人情報の管理
行事の企画運営、業者と連携した進路指導
緊急事態発生時の舵取りなど
基本的には教科の先生が兼ねている。

経験豊富で仕事のできる先生は
転任してもすぐ馴染んで
あっという間にメインプレーヤーになる。

諸事情あって2年に1度
長期休業せざるを得なかった私は
復帰するたびに記憶を辿り
覚えた頃に休むので
その感覚がどうにも掴めなかった。

ようやく掴めてきたタイミングで
この世界を去ろうとしているけれど。


今年の4月1日は
今までで一番ストレスフリーだった。

これまでの経験や学びが
ここにきて実を結んでいる
そんな実感もあるけれど

「今年で最後」という余裕も
大きかったと思う。

どんなことも愛おしもう。
全て誰もが通る道。

今の環境で
できる限りの貢献を尽くし
来年の自分への花向けとしたい。




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