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第二百六十九夜 『プレイボール』

解法のわからない難題に取り組む。
何時間でも同じ問題と睨めっこしながら向き合う。
わからないと悔しい思いをしながらそれでも、向き合い、終いには答えを見て挑む。

それでも、そこに至る道筋は見えない。
そこから持てる知識を総動員し、何度も何度も道を行ったり来たりする。

ようやく一つの問題を解けた時、夕方の教室でもう校庭に誰も残っていないこともあった。

私が数学にハマったのは、その解けた時の達成感があまりにも麻薬的であったからだ。
無理だと思っていたことができたという体験は小中学生の私を熱中させた。

34歳になった私は事業計画を練っていた。
ゴールは据えている。
「日本全国民のライフプランの可視化」である。

しかし、そこまでの道のり、解法は暗中模索である。
様々な方法を試せば試すほど、別の課題が出てくる。

若い時分を思い出す。
こうして、ゴールまでの道筋を立てて、解答例のある数学はなんと親切な設計だったのだろう。

そうして、期限を迎えた事業計画書を提出する。
不足部分をどう補うかを提出後も考えている。

また別のコンテストにも出すことを考えている。
この問題を解いた時には、おそらく、過去最大の達成感を得ることができるのだろう。
これは確信である。

難易度は高い方が、解けた時の快感が大きいのである。

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。

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