歯茎
病み 闇 yummy
頭を使う食べ物が嫌いだった。 例えばケーキ。 ショートケーキのイチゴはいつ食べたらいいかわからないし、ロールケーキはどうやったって寝かせないと食べられない。 だから、左右対称で装飾の少ないシュークリームやチーズケーキを、好んでよく選んでいたと思う。 例えば海鮮丼やお寿司。 せっかくいろんな魚がのっているのに、結局一種類ずつしか食べられないのが納得いかない。だからちらし寿司の方が好き。 お寿司も形を崩さないように醤油をつけるのは頭を使う。 やっと見つけた最適解の「刺身だけ剥
さつまいもほど世渡り上手な食材があるだろうか。 おやつ界隈でのさつまいもの立ち位置は年々上がっている気がする。 芋けんぴ、干し芋にはじまり、さつまいもソフト、お芋チップス、安納芋プリン…。 かつては秋のみ食べられる期間限定的存在だったにもかかわらず、最近では一年を通して彼女を見かけない日はない。なんならさつまいもスイーツ専門店なるものまで現れる始末だ。 その一方では野菜という肩書を利用して、ダイエットに向いてますよ、みたいな顔をしてきたりする。 罠である。 私も一度試して
ココアが好き。献血ルームでは必ず飲む。 甘い飲み物界隈では一番かもしれない。 でもココナッツジュースも好き。 以前、恋人とどのココアが一番おいしいかという話題になったことがある。 冬の海で一緒にココアを飲んだことがあったので、ここは嘘でも「二人で飲んだときのだよ(ほほえみ)」が正解かと考えた。 しかし相手の答えは「ココス」 ココスのココアがおいしいなんて何かのギャグかと思ったけど、とにかく変に香ばしいことを言わなくてよかったと一人反省する。 曰く、一見普通のドリンクバー
「け」から始まる食べものが少なくて困っている。 しりとりでは、しょっちゅうケールとか言ってしまうけれど、そもそもどんな野菜かピンと来ていないところもあって彼に合わせる顔がない。 ルッコラからも同じ理由で嫌われている気がする。 結局選ばれたのはケンタッキーだが、ヘビーユーザーというわけでもない。 年に2回行くか怪しい。 それでもファストフードの中では(たぶん)一番好きだ。 好きな理由、サイドメニューがおいしい。 ポテトがホクホクしていて可愛い。なぜか細長いあいつよりも健康
くるみはヒトの脳に似ている。 言われてみれば全くその通りなのだが、頭をかち割るところから想像するのはやめておこうと思う。 そこから関連してか、くるみの花言葉は知性、優れた能力。 古代ではくるみを食べると頭がよくなると信じられていたそうだ。 そして実際に科学的検証も近年されているという。 特別かしこくなりたいというわけではないが、単純にくるみが好きだ。 パンでもお菓子でも雑貨でも、何でもくるみとついていると自然とときめいてしまう。 でもたしかにこれが健康に悪い食べ物だったら
誰しも物語に登場する食べ物に憧れたことが一度はあるだろう。 桜でんぶがのった可愛いお弁当だったり、黒くて固いクリスマスプディングだったり。 ちびまる子ちゃんは4コマ全集で、旅人が森で迷った果てに見つけた人家でふるまわれるスープが食べたいと言っていた。 私はというと、きびだんごにずっと憧れている。 桃太郎の祖父母がこしらえた世界一のきびだんご。 食べると百万力の力が湧いてくるというきびだんご。 気高き戦士たち(犬、猿、雉)の心をわしづかみにしたきびだんご。 いったいどれ
カステラが好きだ。 小さいころはそこまでだったけれど、気が付いたら大好きになっていた。 きっかけがないかというとそうでもなく、多分トリガーになっている出来事はいくつかある。 ひとつは誕生日に母がカステラのスコップケーキを作ってくれたこと。 ガラスの四角い型にカステラの切れ端を敷き詰めて、 フルーツ缶の汁を流し入れた後に生クリームを重ね、 最後にフルーツで飾り付ける。 多分こんな感じだったと思うが、カステラのこんなにおいしい食べ方があるのかとうれしくて、ときどきすごく食べ
ピラミッドの作り方を私は知っている。 自分でも妙なことを言っていると思うが、時々そんな気分になる。 もちろん物理の知識は慣性の法則止まりだし、世界史もつまみ食いした程度。 ファラオが冥界へと向かうための船が遥か昔どのように作られたのか、 尋ねられても知恵袋の受け売りしか話せない。 でもなぜだか心の奥底では秘密の答えを知っているような気がするのだ。 正確には「知っている」より「知っていた」に近いかもしれない。 今は思い出せないけれど、以前は知っていた。 この目で確かめた
先日、小学2年生くらいに書いたものだろうか、プロフィール帳を一枚見つけた。誰にも渡されることなく引き出しに眠っていたらしい。きっと初めて書いたものだろう。 ほほえましい内容だったが「好きな食べもの」の欄に「おでん」と書かれていた。 なるほど、確かに今も好きではあるがここに書くほどだっただろうか。 女児向けのキラキラした台紙には、やや似つかわしくない渋めのチョイスである。 しかし、思い返してみると、 「今日のご飯なに?」と尋ねたときの返答で一番テンションが上がるのは、 お
三番目に好きなきのこはえのきだ。 一番は舞茸。 名前、形、香り。どれをとっても華やかである。 二番目は椎茸。 主役級の噛み応えはもはや肉といっても過言ではない。 えのきは三番目といったが、二位と三位の間にはかなりの差がある。 順序尺度の特徴は間隔尺度や比率尺度と違って、間隔が一定ではないことだ。 舞茸と椎茸は順位が変動することはめったにないけれど、えのきに関してはなめこだったりしめじだったりほぼ毎週順位が更新される。 えのきの好きなところはまずその見た目である。 白くて
正直なことを言わせていただくと、 甘い梅干しが好きだ。 「梅干しは死ぬほど酸っぱいのが好き」と言っている人をテレビやなんかで見かけるとかっこいいなあと思うから、ときどき見栄張って真似して言ったりするけれど、本音では新聞に広告が載っているような甘いはちみつ漬けにあこがれている。 もちろんお茶漬けやおにぎりは赤くて酸っぱいのが合うとは思うが、もらってうれしいのは甘い方だ。 内心みんなそうだろうとか思ったりもする。 梅干しはシソの部分をお茶漬けに入れるのが好きだ。 理由はとい
今、私の中でイチジクブームが来ている。 昔はいわゆる食わず嫌いで口にしてこなかったが、この頃その味の深さのとりこになってしまった。 なぜ嫌いだったかというと見た目である。 果物の醍醐味ともいえるみずみずしさを全く感じさせない質感に、緑と紫の何とも言えない色合い。 極めつけはあの断面だ。 クリーム色の果肉に囲まれた中心部分は深い赤。 果物というよりむしろ、人間の臓器である。 見てはいけないものを見ている気にさせられる。 筆者、少々グロな漫画等は嫌いではないが、食べる趣味は
アスパラガスのつぼみの部分。 嫌いな食べ物は何ですか、と聞かれたらこう答えるようにしている。 つぼみというのは正しい表現ではなく、穂先というのは最近知った知識だ。 茎の部分は甘くておいしいけれど、どうも穂先の感触と苦みが気に入らない。 嫌いとまではいかないが、同じようにブロッコリーも、モフモフのところより茎の部分が好きだ。 ポッキーやきのこの山も、本命は持ち手部分だと思っている。 チョコ菓子といえば、幼稚園の頃、チョコが嫌いというようにしていた。 実際に嫌いだったか