ネットフリックス、4-6月(第2四半期)決算:予想を上回る成長を記録、有料会員数と売上が大幅増加！【4-6月/Q2,2024】
ストリーミング大手ネットフリックスが発表した2024年第2四半期決算は、投資家にとって非常にポジティブな内容となりました。平均有料会員数の大幅増加に伴い、売上と利益も予想を上回る、成長を見せ、営業利益率も前年同期から大きく改善しています。このnoteでは、同社の最新決算の中身と今後の取り組みについてみていきます。
ネットフリックス、第2四半期業績はどうだった？
平均有料会員数が前年同期比で16％増加により、2024年第2四半期の売上高は、前年同期比16.8%増加しました。
売上高: 95億5900万ドル(前年同期比+16.8%増)
営業利益: 26億ドル（同+42%増）
EPS: 4.88ドル（同+48%増）
売上高が予想を上回り、営業利益率が27.2％と前年同期の22.3％から5ポイント改善しています。
有料会員数の増加が鍵？
第2四半期のグローバル事業の売上高は、支払い済み純増数が予想を上回る800万件（前年同期：590万件）となったことから、期初の見通しを1％上回りました。この有料会員数の増加が、ネットフリックスの売上高増加に大きく貢献しています。
Letter to Shareholders(株主の皆様へ) より
・・・例えば、第2四半期には、Bridgertonのユニバース4が1億7200万ビューを記録。それはすべて、バラエティとクオリティから始まる。なぜなら、もし人々が何かを素晴らしいと思えなかったり、好みに合わなかったりすれば、単純に視聴を止めてしまうからだ。そして、エンゲージメントを高めるためには、再生ボタンを押して滞在してもらう必要がある。
コメンテーターはよく、Netflixにこれほど多くの番組や映画が必要なのかと尋ねますが、答えは「イエス」です。2億7800万世帯の会員がおり、1世帯あたり平均2人以上の視聴者がいるため、私たちは6億人以上の視聴者を対象に番組を制作しています。これは膨大な数であり、これだけの人々に喜んでもらうには、さまざまな嗜好や気分に訴える素晴らしいストーリーがたくさん必要だ。多くの競合他社が撤退するなか、私たちが番組への投資を増やし続けているのはそのためです。
どんな影響がアルゼンチンから？
アルゼンチンにおける現地インフレと米ドルに対するアルゼンチン・ペソの切り下げが、ネットフリックスの売上高に大きな影響を与えています。ペソ価格の大幅な上昇が、F/X中立ベースと報告ベースの主な差異となっており、これが今後も続くかどうかが注目されます。
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2024年第3四半期の見通しは？
ネットフリックスは、次期第3四半期の売上高が前年同期比14％の増加を見込んでいます。これは、アルゼンチンの価格変動と現地通貨の対米ドルでの切り下げによるもので、F/X中立ベースでは19％の増収となる見通しです。
また、有料契約純増数は前年同期を下回ると予想されています。これは、有料シェアリング(サービスやコンテンツを複数のユーザーが共有する際に、その共有に対して追加の料金が発生する仕組み)の影響が初めて全四半期に及んだ前年同期と比較してのことです。
通年の業績予想は？
ネットフリックスは、2024年通期の売上高が前年比14％～15％増加すると予想。これは米ドルが他の大半の通貨に対して上昇よる影響を受けながらも、堅調な会員数の増加傾向と事業の勢いを反映したものです。
また、2024年の営業利益率は26％に上昇する見込みで、継続的な経費節減によりさらに改善されるとしています。ネットフリックスは、短期的なボラティリティ(変動)を軽減するための為替リスク管理プログラムを開始しており、営業利益率の拡大を目指しています。
今後の具体的取り組みは？
ネットフリックスは、既存および将来の会員により良いサービスを提供するため、あらゆる面で改善に邁進。
第2四半期には、「ブリドガートン S3」、「ベイビー・トナカイ」、「クイーン・オブ・ティアーズ」、「ザ・グレート・インディアン・カピル」などのヒットシリーズを配信。
過去最大のライブ視聴者を集めた「Under Paris」、「Atlas」、「Hit Man」、「The Roast of Tom Brady」などの実績を活かす。
6月によりシンプルで直感的な新しいTVホームページのテストを開始し、視聴体験の大幅な改善。
広告事業の拡大が着実に進み、広告ティアの会員数は前四半期比で34%増加し、社内でアドテク・プラットフォームを構築中。
*広告ティアは2024年にカナダでテストし、2025年にはより広範に展開する予定。
エンターテインメントへの投資と拡大を続け、リーチ(特定のコンテンツやメディアが到達する視聴者やユーザーの範囲)とファンダム(特定のコンテンツやブランドに対する熱心なファン層やコミュニティを指します。)を構築し、消費者の支持を拡大し、ビジネスとして健全な収益と利益の成長を維持。
広告ティアとは何か
広告ティア（広告付きプラン）は、Netflixの提供する新しいサブスクリプションモデルで、視聴中に広告が表示される代わりに、通常のサブスクリプションプランよりも低価格でサービスを提供するものです。
目的と効果
収益の多様化：広告ティアにより、従来のサブスクリプション収入に加えて、広告収入を得ることが可能となり、Netflixの収益源が多様化されます。
利用者の拡大：低価格の広告付きプランを提供することで、コストを重視する新しい利用者層を引きつけ、全体の利用者数を増やすことが期待されています。
広告ティアは、Netflixのビジネスモデルにおいて重要な役割を果たし、収益と利用者の両方を増加させるための戦略的な取り組みです。
About ネットフリックス
設立:1997年
リード・ヘイスティングスとマーク・ランドルフがカリフォルニア州スコッツバレーでNetflixを設立しました。当初はDVDのレンタルおよび販売サービスを提供していました。定額制サービスの導入:1999年
このサービスにより、ユーザーは月額料金を支払うことで、レンタル期間や返却期限を気にすることなく、無制限にDVDをレンタルできるようになりましパーソナライズド推薦システムの導入:2000年
独自のアルゴリズムを用いたパーソナライズド推薦システムを導入し、ユーザーの視聴履歴に基づいて映画やテレビ番組を推薦する機能を提供しました。上場:2002年5月
ナスダックで株式公開（IPO）を行い、ティッカーシンボル「NFLX」で取引を開始。この上場により、Netflixはさらに資金を調達し、サービスの拡大や技術の向上を図る。ストリーミングサービスを開始:2007年
DVDレンタルサービスは長年続けられ、最終的に2023年9月29日に終了。ティッカー・シンボル:NFLX
セクター:コミュニュケーション・サービス(Communication Services)
株式時価総額:2,730億ドルドル<7/19日時点,およそ42.3兆円>
年間の売上高:337億ドル(2023年12月通期)
ライバル企業:ウォルト・ディズニー(DIS)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)など
日本での同業種:サイバーエージェント(4751)、東宝(9602)、KADOKAWA(9468)など
従業員数:13,000人
まとめ
ネットフリックスは、第2四半期においても強力な業績を示し、会員数の増加や営業利益率の改善に成功しました。アルゼンチンの影響や為替変動といった課題もありますが、同社のビジネスモデルと戦略は依然として堅調です。同社はその成長と収益性を維持しつつ、引き続きエンターテインメント業界のリーダーとしての地位を確立しています。
よくある質問<Q&A>
Q: ネットフリックスの第2四半期業績はどうでしたか？
A: 第2四半期の売上高は前年同期比17％増、営業利益は42％増、EPSは48％増となり、いずれも予想を上回りました。
Q: アルゼンチンの経済状況はネットフリックスにどのように影響していますか？
A: アルゼンチンの現地インフレとペソの切り下げが売上高に影響を与えており、F/X中立ベースと報告ベースの差異の主な要因となっています。
Q: 第3四半期の見通しはどうですか？
A: 第3四半期の売上高は前年同期比14％増を見込んでおり、有料契約純増数は前年同期を下回ると予想されています。
Q: ネットフリックスはどのようにして営業利益率を改善していますか？
A: 継続的な経費節減と為替リスク管理プログラムを通じて、営業利益率を改善しています。2024年通期の営業利益率は26％に上昇する見込みです。
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*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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