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ゾエティス(ZTS)最新決算:動物用医薬品、ワクチン、診断検査を中心に事業を展開する世界的企業をチェック!【4-6月/Q2,2024】


ニュージャージー州パーシパニーに本社を構えるゾエティス(Zoetis, Inc.、ZTS)は、動物用医薬品、ワクチン、診断検査を中心に事業を展開するグローバルカンパニー。同社は主にコンパニオンアニマル(ペット)と家畜の2つの分野に注力。世界最大の動物医薬品メーカーとして知られております。


第2四半期は、売上高8%増加

  • 売上高:23億6,100万ドル(前年同期比+8.3%)
    -コンパニオンアニマル(ペット):16.5億ドル
    --寄生虫駆除、皮膚科領域が好調、疼痛も。
    -家畜:6.9億ドル

  • 当期利益:6億2,400万ドル

  • EPS:1.37ドル
    -調整後EPS1.56ドル

ゾエティスの第2四半期の売上高は、前年同期比で8%増加し、23.6億ドル。特に、コンパニオンアニマル向け製品と畜産向け製品の売上が成長を牽引。しかしながら、純利益は前年同期比で7%減少し、6億2,400万ドル(希薄化後1株当たり1.37ドル)。純利益の減少は、為替レートの変動や、原材料コストの上昇によるものとされています。

それでも、同社はコンパニオンアニマルおよび畜産分野での好調な業績を反映しているとし、イノベーションと実行力の統合により、2024年上半期に優れた結果を達成。さらには通期のガイダンスを引き上げました。

ゾエティスは、多様で耐久性のあるポートフォリオを持ち、新たな機会を活用し、長期的に動物のケア方法を再定義することを目指しています。同社は、業界の最前線であり続けるための戦略に集中しており、今後も動物の健康と福祉の向上に貢献していくことが期待されます。

営業収益と調整後純利益は順調に増加

営業収益は前年同期比で11%増加し、また、調整後純利益は18%増の7億1,100万ドル、希薄化後1株当たり1.56ドル。調整後というのは、同社が企業の基本的な業績をより明確に把握することを目的とした、通常の事業活動を反映しない一時的な影響のこと。

具体的には、取得した固定資産の公正価値やシステムの統合、買収関連等を指します。調整を行うことで、ゾエティスの経営陣は、事業のパフォーマンスを評価する際に使用する財務指標を投資家に提供しています。

いわゆるnon-GAAP、非GAAPは、会社が独自に設定、一般に公正妥当と認められていないものとなりますが、株主が重視する指標として米国では広く受け入れられています。

米国と国際市場

Q2の米国および国際セグメント別では、

米国セグメント:売上高は13億ドル(前年同期比12%増加)。
-変形性関節症(OA)疼痛治療薬であるリブレラ®(犬用)と
ソレンシア®(猫用)の販売が成長を牽引。また、皮膚科領域の製品も売上を大きく押し上げました。

国際セグメント:売上高が10億ドルに達し、報告ベースで4%増、営業ベースでは10%増加しました。特に、シンパリカ®とシンパリカ・トリオ、リブレラ®、ソレンシア®が成長を後押しし、畜産用製品も価格上昇により成長を見せました。

通年ガイダンスを引き上げ

ゾエティスは、2024年通年の売上高ガイダンスを91億~92億5,000万ドルに引き上げ、希薄化後EPSも報告ベースで5.35~5.45ドル、調整後で5.78~5.88ドルとしました。さらに、営業収益成長率を9%から11%、調整後純利益の通年成長率を13.5%から15.5%に引き上げており、今後も強い成長が期待されています。

成長への投資と製品ラインの拡充

ゾエティスは、技術革新とケアを推進するための投資を継続しており、新製品の承認を取得しています。例えば、カナダではアトランティックサーモン用の最新バージョンのワクチンであるアルファ・ジェクト・マイクロ® 7 ISAが承認されました。また、シンパリカとシンパリカ・トリオは、カナダでの新たな効能・効果を取得し、製品ラインをさらに強化しています。

トップのコメント

"当社の製品への強い需要、市場獲得能力、そして社員の献身により、素晴らしい四半期を迎えることができました。コンパニオンアニマルと家畜用製品の両ポートフォリオで目覚ましい成長を達成し、顧客のニーズに応える革新的なソリューションを提供し続けます"

クリスティン・ペックCEO

About ゾエティス

  • 創業:1952年(ファイザー<PFE>のアニマルヘルス部門として)

  • 現社名での設立:2012年

  • 上場年:2013年

  • ティッカー・シンボル:ZTS

  • セクター:ヘルスケア

  • 株式時価総額:853億ドル(約12.4兆円8/13終値)

  • 年間売上高:85億ドル(約1.28兆円,2023年)

  • ライバル企業:エランコ・アニマル・ヘルス(ELAN)

  • 日本での同業種:ペットゴー(7140)

  • 従業員数:14,100人

まとめ

ペットは単なる動物の域を超え、高齢社会における重要な社会的資源として認識されるようになると予想されています。

同時に、ペットと人間の関係がより深化し、互いに支え合う新たな共生モデルが構築されていくでしょう。

家族同然のペットに対し人と同じように医薬品に依存する機会は、今後ますます増えていくと思います。

ゾエティスは、2024年第2四半期において売上高の増加と強力な成長を達成し、通年ガイダンスを引き上げるという非常にポジティブな結果を報告しました。

コンパニオンアニマルと家畜用製品の両分野での成功、そして技術革新への継続的な投資が、ゾエティスの未来を支えています。

よくある質問(Q&A)

今回の決算や事業内容をQ&Aでおさらい・・

Q1: ゾエティスの2024年第2四半期の売上高は?
A1: 売上高は24億ドルで、前年同期比で8%増加しました。

Q2: 2024年第2四半期の純利益はどうでしたか?
A2: 純利益は6億2,400万ドルで、前年同期比で7%減少しました。

Q3: 調整後純利益と希薄化後EPSはどうなっていますか?
A3: 調整後純利益は7億1,100万ドル、希薄化後EPSは1.56ドルで、それぞれ前年同期比で9%増と11%増となっています。

Q4: 2024年通年のガイダンスは?
A4: 売上高は91億~92億5,000万ドル、希薄化後EPSは報告ベースで5.35~5.45ドル、調整後で5.78~5.88ドルに引き上げられました。

Q5: コンパニオンアニマル(ペット)製品の成長を牽引した要因は?
A5: 変形性関節症(OA)疼痛治療薬のリブレラ®とソレンシア®、皮膚科製品のシンパリカ・トリオ®やアポクエル®が成長を牽引しました。

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*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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