殺されていく

芥川賞が決定らしい。
21歳の作品だという。

恋愛ドラマの主役を飾る可愛らしい女優も、
日の丸を背負ったスポーツ選手も、
キラキラしたアイドルたちも、
大勢の人に認められる本を書く作家も、
みんなみんな歳下になった。

夢を夢で終わらせ、
なんとなく進学し、なんとなく就職した私は、

未だ自分ひとりを愛させしないし、養えもしない。

殺されていくのだろう。

自分の求めるものへと、素直に努力ができる人たちに、

私は殺されていくのだ。

彼らの努力の年月と成功に思いを馳せ、平々凡々に生きていた私の時間が劣等感でうまっていく。そうして、いつか窒息してしまう。そんな自分を見てみぬふりをして、今この瞬間だけのことだけを考えて、刹那の快楽に身を任せるのだろう。死んでいるとも気づかずに、ゾンビのように笑っているのかもしれない。

あぁ、息ができない。

※芥川賞発表当時に書いていた記事。供養の為、今更ながらに投稿いたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?