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リフトリー

ナレーション・リフトリー。吊り上げられた領土を持つ国。人口の増加が止まらず、この国では住める場所を増やすため下界と天界二つに領土がある。二層に分かれた地形はスーパーコンピューター「武蔵」が管理している。40年間何も問題は起きていない。国民は快適に生活していた。

SE・ウーウーウーウー(サイレン音)

(スーパーコンピューターの管理室)

(将棋をして遊んでいる職員たち)

職員1・サイレンとかなるんだな。

職員2・初めて聞いたわ。

職員3・まあ、武蔵が勝手に解決してくれるって。

職員4・本当にこの仕事は楽だよな。昔受験勉強必死にやった意味。

職員1・まあ、じゃないとこの職場にはつけないからな。

職員2・職員はいるだけ。全て武蔵にお任せ。王手。

職員3・やるねー。

職員4・それにしてもサイレン鳴り止まないな。マニュアルとかあったっけ?

職員1・確認します。

(マニュアルの場所を探す職員1)

(ホコリがかぶったマニュアルを見つける。)

職員1・えーっと、あ。これか。サイレンが鳴った場合は避難指示を出すようお願いします。

職員1・避難指示出さなきゃいけない感じです。

職員2・え。どうして?

職員1・サイレンが鳴ることは通常おきません。なる場合は武蔵が何者かにアクセスされている可能性があります。

職員3・いや、それはないだろ。武蔵は世界最高の計算能力持ってるからアクセスされるなら武蔵を超える必要あるけど、そんな話聞いたことない。

職員1・ですよね。なんか、続きジュースのシミがついてて読めないんですよね。アクセスされている可能性があります。または…この部分です。読めます?

職員2・(マニュアルを受け取る)うーん。大事なこと書いてある気するな。または…なんだろうな。

職員4・武蔵自身がシステムを停止しようとしてる。とか。そんなわけないか。

職員1・もし、そうだとしたらどうなるんですか?

職員4・この天界が下界に落ちるね。吊り上げられなくなるから。全員亡くなるかな。

職員1・え。

職員4・武蔵が管理してるから人が不要と判断した場合だね。王手。

職員3・やるねー。

職員1・僕たちって必要ですか?

職員2.3.4・え。

(サイレンが止まる。)

あめがとう◎