某人のようなものについての
「某」川上弘美
を読んでのメモ
誰でもない者、という者が存在する現世に近い時代。
結局彼らがどのように生まれてきたのか、なぜ存在しているのかという謎は明かされないままだったが、彼らは彼らでただ生きていて、自分たちがどういう存在なのかを静かに考えていた。
何年も、何十年も、姿形を変えて。
愛すべき人に出会い、相手のために生きたいと思う、犠牲になる?
という気持ちが芽生えた人だけが変化できなくなる。
そんな彼らに対し、強烈な憎しみをもった人もいる。
その理由も分からずじまいではあったが。
変化すれば生き延びられたが、成長をしてしまったひかりは死を選んだ。
みのりは彼女の思いを知りたくてアルファ、シグマの元を訪ね、後にひかりのような姿へと変化した。
彼女はこれからもひかりという存在を忘れられずに生きていくのだろう。
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