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山姥切国広が鹿目まどかじゃなくてよかった

山姥切国広単独行、ありがとうございました。

以下ガッツリ内容の話だ!つまりネタバレ!


まず、3時間やるの…!?という衝撃。
刀ミュのにっかり青江単騎出陣は完全1人舞台なので80分とかで終わった。
やるにしても2時間ないだろ〜って思いながら劇場ついたら上演時間2時間45分でビビリました。休憩あるじゃん…!

単独行といいつつも、かなりたくさんのキャストさんが出演されることはわかっていたので「まあ、歴史上の人物だけで持つのかな」とか想像してたらやりよった荒牧さん…!ずっと出てた…!ほぼ3時間まじでほぼず〜〜〜っと板の上にいる。すごい。いすぎ。休め。


舞台刀剣乱舞シリーズにおいて、ひじょ〜〜に大切なお話をしているのだが、そのまえに荒牧慶彦さんが凄すぎたのですが。

荒牧さんが出演されている刀ステ生で見たの初めてっていうか生でみた刀ステ綺伝だけなんですけど、荒牧さんってこんなにすごいの。

兼ね役が多いというか、一貫して山姥切国広ではあるんだけど色んな人物を演じることになる。作中の言い回しを借りると色んな人物に「思いを馳せる」。古墳時代から幕末まで、さらには朋友三日月宗近にまで「思いを馳せる」。山姥切国広は数々の人に思いを馳せることでその人に成り替わり、その人の生き様を見ることになる。
つまり、荒牧さんが大量の人を演じ分けるということです。果ては三日月宗近まで。

我々は鈴木拡樹さんが演じる三日月宗近を長い間見続けているからこそ、山姥切国広の、荒牧さんの演じる三日月宗近にビビるわけです。間違いなく刀ステの三日月宗近が出てきた。
いや、もっと前の三条宗近に思いを馳せていた時も三日月宗近の片鱗をみて甚く感動した。この人、そんなことができるの?イリュージョンやないかい。


物語は修行中の山姥切国広がさまざまな軸に存在する織田三郎信長と出会い、刀の歴史を空想する。
サブタイトルである「日本刀史」そのままだ。
さまざまな軸の織田三郎信長とは、たくさんの諸説、逸話、物語から生まれた織田信長のこと。「勇ましい人だったのだろう」といった想像や「数奇な性格だったかも」はたまた「女性だったかもしれない」など後世の人物が作り出したいろんな織田信長像がでてくる。もうそれはそれはすごい人数の。

一幕は「普遍的な歴史の否定」だった。
たくさんの織田信長が最たるもので、語り継がれる歴史の正解なんてわからない。最終的には今を生きる人が脚色した物語にすぎない。ということを言われた。じゃあ刀剣男士が守っている歴史って何?と思ってきちゃうけど。

二幕は山姥切国広の話だった。
何のために強くなるのか。それは三日月宗近を救うため。
なぜたたかうのか。それは本能だから。
山姥切国広が、刀ステで生きる刀剣男士たちがずっと持っていたその矜持を真っ向否定してきた。え…?否定してきた…。
おまえ、本当にそれでいいの?それで強くなっていいの?って言われてました。
元々、初の時点で原作よりもかなり「写しでありながらも山姥切国広という名刀である」という誇りを強く持ってたかの本丸の彼だから、さらに強くなるには何かにとらわれず己のためにたたかえということかな、と解釈した。
正直情報多くて整理できないので全く見当違いかもしれん、もうむり。

ただ、刀ステ本丸呪われてるから(言い方)「おれが全てを救う…!そのためにおれも円環のひとつになる…!」といってかけだした彼には流石にやられた。そ、そんなに強くなれるのか。
「強さ」は戦闘力のことじゃない。三日月宗近が円環に囚われ続けられるのは彼の精神の強さで、それを救わんとする山姥切国広に必要なものもまた、精神の、想いの強さなのだろう。
そしてそれを手に入れた山姥切国広すごい。

三日月宗近のこと、暁美ほむらだと思ってる人なので、助ける山姥切国広は立場的に鹿目まどかになるわけです。
でも本当に鹿目まどかじゃなくてよかった。まどかのあれって世界救済でありながらドデカ自虐だから、たった1人、まどかだけは救われない世界を作ってしまう。
でも山姥切国広はまどかじゃないから、ほむらちゃんも世界も、自分も救える。だってあいつ神経図太そうだしな!
月を照らすのはいつも太陽だから、図太い神経で全部を照らしてくれ。

ずっと黒田官兵衛を取り巻いて物語が動いていると思っていたのに織田信長が中心だったのか〜なんて思っていたんだけど、なんか二幕、いましたね黒甲冑軍が。ありゃあ何なんだね。維伝メンツがいて鳥肌立っちゃった。唐橋さんの声だぁ。
まじで何かわかんないずっと。助けて。わかりやすい答え合わせっていつかできるんですか?何なのあれは。
ていうか審神者、結晶にされちゃってたのなあに…結晶にされちゃうんだへぇ…。審神者、手にされた過去もあるし、なんだかやられ放題。

極直後の打刀レベル35ってめっちゃ弱いじゃないか。でもあんな無双してたの何?って思ったけどあの本丸の近侍としてカンスト後もめちゃくちゃ出陣してたってことだよね、そらあ攻撃力高いわ…。
そして、折れてお守りで復活するのほんと好き。原作だよね。原作ゲームはあんなに死にそでもすぐ治るんだもん(札を使えば)。死んでもお守りで復活できんだもん。その手軽さが、ちゃんとハードストーリーに組み込まれているの最高。ふくのすけえらいぞ!ふくのすけかわいいぞ!!



私の最推しは山姥切国広だけど、刀ステの彼が好きなのではなく自本丸の彼が好きなので全くの別人として見ていたせいで、「こんな刀おらんてうちに…!」ってなっちゃった。
あの本丸の近侍はすごいな…!うちの近侍ときたら私に怒ってばっかりで全く…。改めて刀剣乱舞というコンテンツ楽しみ方が色々で面白い。


追記、久々末満さんの演出を見てやっぱり独特だな〜と思った。
映像をふんだんに使う舞台って正直あまり好きになれないんだけど末満さんの演出は"映像作品でするはずの画づくりを舞台上でしている"感がある。
今回なんて特に中央に回る円形のセットがあったので景色の見え方が鮮明だった。
おかげでスクリーンに投影される映像が馴染んでいるので見やすい。好みではないんだけど、やっぱ上手くて感動した。


全人類みて〜!と思いつつ、もう多分チケットは取れないし刀ステ全部追ってる+ある程度刀の知識ある人じゃないと結構わかんないと思うからかなり挑戦的じゃないかな。見る人すごく限られそう。
でも本当に素晴らしいんや…!!スタンディングオベーションいくらしたって足りないぞ!!
荒牧さんまだやるんかあれを。とんでもねえな。

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