目利き

 ある男が骨董屋に入り陶器の皿を見せてくれと言った。店主は、まず10万の皿を見せ、次に50万円、しまいには100万の皿を見せた。が、男はその都度、首を振り、もっと立派なのはないのかね、とただをこねた。店主は呆れ果て、最初の10万の皿を箱だけ立派なものに変えて、300万で売りつけた。男はそれを受け取ると、大変満足し、いい仕事してますね、と言い残し 店を出た。買ってしまったのである。男は 骨董品の鑑定人であった。


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