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沼底エッセイ

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友人たちの何度も読みたい粘土系セックス・ノート
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2020年4月の記事一覧

イギ3

イギ3

 イギからの連絡が絶えて二ヶ月ほど経っていた。ある夜ふと、もう二度と彼に言葉を送ることができなくなるのかもしれないと思い急いでメッセージ画面を開き、最も相手に伝えたいと思うことだけを手短に打ち込んだ。
「貴方は綺麗で、可愛い。」
 イギからの返信はないが既読のしるしはついていた。何を送っても既読にはなるし、頑なに返信はない。できることが何もなかった。自己断罪にもほとほと飽きて、彼のブログに書かれて

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ラブリーピッピ・アンド・エモ

ラブリーピッピ・アンド・エモ

 

 おしっこを、わたしに向かってかけているのだと言い張る。言われるまで知らなかった。平静の彼も知らないだろう、酒に弱いから。酔いが覚めたらきっと忘れる。
 二杯の酒で真っ赤になる好色家の赤ちゃんは、何かのはずみですこぶるむずがる。
「あれもやだこれもやだ…。バゲットで殴るよ」とメッセージで脅せば、
「おちんちんで叩き落すわ」と言い返してくる。彼のそれを思い出してみて、
「そんなリーチないでしょ

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