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『春の色』

お天気雨の、75秒前。

密集した淡い桃色に目をやると、いつでも時間がグラリとする。

ここではないどこかにすーっと吸い込まれそうになって、
あわてて隙間にある小さな空を仰げば、
今度は、淡い危なげな水色に吸い寄せられそうに。

空の二階を一瞬だけ見たかもしれない。
雨粒をよけながら走って帰る。


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