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第160回 追放計画 の巻

興味深いのは、水面下で2つの計画が同時進行だったこと。

ひとつは、藤原摂関家サイドによる「道真追放」、そしてもうひとつは宇多・班子女王サイドによる「道真昇進」。

宇多サイド優勢で進んでいたこの政争は宇多側が攻勢をかけ、時平と並んで道真を「従二位」へ昇進させます。

しかし摂関家はそれを逆手にとり、あえて敵の攻勢を受けておいて「官打ち」を仕掛けます。

「官打ち」とは、ターゲットを身分不相応なほど出世させて周囲の嫉妬を煽って孤立させたり、身の丈以上の仕事を任せて失敗させ降格させるやり方です(現代でも会社内などでときどき観測できますね)。

道真はごく一握りの人間だけがたどりつける「従二位」という最高の栄誉を享受したほんの数日後、その初給与を受け取る直前で、電光石火 追放されてしまうのです。 あな、おそろしや。。。

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