脇役の日記vol.7

子供の頃の自分が今の自分を見たらなんて言うのだろうか。あの頃の親が成長した姿の俺を見たらなんと言うだろうか。

当然誰しもが思い描いたような人生を送れるわけじゃないし、送れていない人の方が多いに決まっている。分かっている。

そんなもやもやした気持ちを抱えながら自分の昔の写真を見てしまう。

おいたちのあるばむはこれからもと書かれた母の背表紙。色あせたフィルムに映るまるでフィクションなんじゃないかと言うくらい小さい俺。屈託のない笑顔。ごめんねとこぼしてしまう。

あの頃の俺はウルトラマンになりたかったな。カメラの前でウルトラマンのポーズを取っていて、きっとその目線の先にははっきりと怪獣が映っていたんだろうな。もちろん周りからは見えないけれど。

今の俺の敵は不安であったりする。将来の漠然とした不安がなぜ怖いかと言われれば漠然としているからだと思う。ぼんやりしているから怖いんだと思う。自分はこのままでいいのかという疑問を解決できるのは自分しかいない。

だいたいノストラダムスが人類の滅亡の予言を当てていたら俺はこんな思いしなくて済んだんですけどね、なんて会ったこともねえぼんやりとした存在にこの無責任な責任を押し付けて楽に生きられるならそうしてしまいたい。

ただ別に不幸な訳では無い。ただずっとまとわりつくように不安がずっとそこにあるだけで。

その不安はそこにあるんだけど楽しい時とかはあまり顔を出さずにふとその時間が終わり1人になった時にまた顔を出す。それが今なのでこれを書いている。

耳元では長渕剛師匠のLICENSEが流れている。

このなんとも言えない気持ちが大きくなってしまう前に駆け足で早く、駆け足で早く 家へ帰ろう。

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