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個人的な産休に入ります【26週~32週目】

妊娠9ヵ月目に入りました。今は、体調に気を付けながら過ごしています。

フリーランスなので、会社から産休手当がもらえるわけではなく……。でも期限を決めずに仕事を続けてしまうと、出産・育児の準備ができないので、「個人的な産休」と題して、12月から2月いっぱいまで仕事を休もうと思います。

この期間は里帰り出産のため名古屋に帰りますが、パソコンは持っていきますのでお気軽にご連絡ください。できる範囲で対応させていただきます。

さて、今の心情を少しだけ。

仕事について。人の人生を聞いて書くことで、この先の未来が少しでも明るくなったらと、インタビューライターと名乗るようになって3年が経つ。 出産して、子を育てることになれば、おそらく数年はキャリアを後回しにするだろう。

正直に言えば、もっと取材したいし、一度決めた信念をとことん貫きたい。でも最近、子を育てることは世の中を明るくする、大きな貢献なのだと思うようになって、肩の力が抜けた。知らない経験をすることが楽しみだと思えてきた。

妊娠後期の今について。子どもがお腹に宿る前は、「お腹に生命がいるってどんな感じなんだろう?」「子宮が伸びたら痛いんじゃないか」と不思議だった。けれど、お腹の内側からから蹴り上げられても痛くないし、「おお、元気でよかった!」と喜んでいる。

朝起きたら脚がつったり、くしゃみするだけで尿漏れしたり、お腹が大きくてちょっとした段差で転んだりと、体の変化に驚くことはあるけれど、「ま、こういうもんか」と割り切っている。人間の順応力はすごいと思う。

逆に適応できてしまうからこそ、無理をしてしまう気がした。「もう少し頑張れば、あそこまで歩ける」「ちょっと重たいけど、人を呼ぶの面倒だから自分で運ぼう」と頑張っちゃう。案の上、夕方にお腹が張ってしまい「赤ちゃん、ごめんね」とへそ辺りを見つめて謝る。

精神的な面でも、すでに母親になっている。だから周りの言葉に過敏になってしまうのだ。身内に出産、育児の心配事を打ち明けると、たいがい「みんなそうだよ。大丈夫!」と返ってくる。そこで、「この子やわたしのこと、いったい何がわかるというの?」と反発心がムクムクと……。「励まそうとしてくれているのに、心が狭いなぁ」と落ち込む。平気なそぶりをしているが、心は不安定なのかもしれない。

子育てについて調べて驚いたのは、良くも悪くも地続きであるということ。世の中で起こることが「わたしもそうだったから、あなたも」とはならないのに、出産、育児については「あなたにもできる」と思われがちだ。

これは、よくないなぁと思った。だって、個人の問題が絡んでいるかもしれないのに、深く相談する機会を奪ってしまうから。「面倒だと思われているかも。この話をするのはやめよう」と思ってしまうもの。

育児に関わらず、わたしも人に「大丈夫だよ」って言っていたかもしれない。「そうなんだね」で十分だと反省した。もちろん何か解決策があれば伝えるけれど、ただ聞くだけの時間って大切です。

おそらく2ヵ月後に、赤ちゃんが誕生する。わたしや夫に似ているかもしれないけれど、違う人間だ。まだ1人では生きていけないから、きっと何度も大人の意見に左右されるだろう。それでも強くあってほしい。抗っていい。受け流していい。大人の考えがすべて正しいわけじゃないのだから。

(記:池田アユリ)


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