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私と一緒に ひとり旅の旅程を組む

突発的に長い休みが手に入ったので、ひとりで旅行に行くことにした。
いつもは日帰りや ライブ遠征を兼ねた1泊が多く、実はひとりで2泊以上するのは初めて。

さて、どういう旅程を組もう。
そういう話です。

まずは、私の旅程の組み方。

①代表的な観光地+行きたい場所をピックアップ
・代表的な観光地を中心に抑える
 個人的に行きたい場所はプラスαとして考えておく

②マップにピンを立て、効率の良いルートを組む
・行きたい場所があまりにも離れていたら要検討
 ここでどこまでが現実的な範囲か確認する

③食べたいグルメをピックアップ
・代表的な名物はできる限り抑える

④観光ルートに沿ってごはんを割り当てる

⑤雨天や臨時休業の場合の回避案を考える
・特に天気で左右される観光地は注意

たぶん、特段変わっているところもなく 一般的かと思う。
とりあえずこの組み方で、今回の旅程も組むことにした。

が、ここで問題が起きる。
時間が足りない。

今回の移動は公共交通機関。天候や交通のトラブルの可能性を踏まえて、余裕を持った旅程を組む必要がある。
ところが 行き先が圧倒的車地域のため、アクセスが絶望的なのだ。

どうしよう。行きたいところを諦めるか…と悩んでいると、ふと自分の中で問いかけが起こった。

〝代表的な観光地として 遺跡とかお寺とか入ってるけど、本当に興味あるの?〟

え、全然ない。

〝いらなくない?省いたら?〟

え、そんな。そんなのさすがに……。
だって、どの旅行サイトも旅行雑誌も、絶対にモデルコースに載せている場所。
そこを飛ばすなんて、旅程としておかしい。

〝でも、本当はその時間があるなら?〟

町歩きが楽しそうな地域だから、食べ歩きをしながら雑貨屋さんを巡りたい。

〝………〟

………


ひとり旅を、〝もうひとりの自分との旅行〟とか〝究極のわがままを貫ける旅〟なんて表現しているのを聞いたことがあるけれど、よく言ったものだと思う。
確かに、誰に提出するモデルコースでもなければ 咎める人だっていない。
それどころか、もうひとりの自分に聞いても全面的に肯定するばかりなのだ。

よし、遺跡とお寺を旅程から外そう。
またいつか、誰かと来たときに寄らせてください。


そこで、今度は行きたい場所中心に洗い出した。
町歩き、水族館、パン屋さん、そして。

写真を見て、なんとなく気になっていた神社。
山の麓にある神社で、参拝時間は20分ほど。しかし他の旅程とは完全に逆方向な上、市街地からバスで片道1時間かかる。

これはさすがに、時間がもったいないかな……。

そう思うと同時に、またもうひとりの私が囁く。

〝時間もったいないとか、絶対思ってないじゃん。
だって、私は時間を無駄遣いするのが旅行の醍醐味だと思ってるくらいだし。〟

〝というか、本当は目的地での時間よりも 目的地に向かってる時間の方が好きなの、知ってるんだけど。〟

〝車窓から町並み眺めたり その土地の生活風景を見ながら歩いたり 自然の景色を見ながらぼんやりしたり。誰かとの旅行中も、こっそりそういうことしてるよね。〟


もうひとりの私の声が強すぎる。
じゃあ、ここも行こう。

と、そんなことを繰り返し、完成した。
私以外絶対に楽しくないであろう、私のわがままを詰め込んだ旅程。
メインどころを平気で外し、ただ〝私が行きたいから〟という理由だけで採用された行き先たち。

友達にこんなの提案したら 縁を切られるレベルだろう。
でも私にとっては、これ以上ないだろうというくらい良いものができた。


自分が選んだ好きなところで、自分が選んだ好きなものを食べる。本当に楽しみ。

あとは……

〝旅行中、何をしてもいいんだよね。〟

それなら、積読になっていた本を持っていこう。
あと、普段の旅行では準備が遅くなるから あまりしないけれど、髪も巻こう。
誰もいなくても、自分が可愛い方が楽しいし。コテ準備しないと。それから……


さて。改めて自分が立てた旅程と やりたいことを見てみると、かなり〝自分の思考の癖〟みたいなものが出ていると思った。

例えば、私が惹かれたのは
水族館や動物がいる島。そして海と綺麗な景色。
町歩き、パン屋さん、そして現地のおいしい食べ物。あとは温泉。

スケジュールは、かなりゆったりめ。
1、2本電車が遅れても問題がない。むしろすべて少し時間が余るくらいに設定している。
体力的にも、おそらく余裕だろう。

そして、持って行くスタイリング剤や化粧品を厳選するのに意外と時間がかかったり。

自分が大切にしているもの、好きなこと、こうありたいと思っていること。
反対に、切り捨てたもの、こだわっていないこと。

普段自分でも気づいていなかった、些細な発見がたくさんあった。実際にひとり旅をしたら、また新しい発見があるだろうか。
また報告します。


そういえば、今回旅行に行くのはずっと憧れていた、念願の地。
そことは別に、もう一箇所 ずっと行きたいと思っている場所があるのだ。

小さな博物館と、小さな水族館と、そして海があるだけの、小さな町。
もし今回の旅行で楽しく過ごせたら、私、また私と一緒に旅行に行ってくれないだろうか。
私以外にこんな旅行に付き合ってくれる人いないし。いいでしょう?

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