出口に似た光。


美容院のあの雰囲気や会話が嫌で
自分で髪を切るようになったこと

3人以上の集まりが苦手なこと

飲んでいる栄養剤も、飲んでいる天然水の形

全てが同じだった。

ペンギンのマグカップを出したら
相手は、ペンギンが好きだった。

血液型の話、個人的な感情論まで
全部が共通していた。

思いがけない偶然の共感は、嬉しい

「困ったな。秘密の共有は、人を親密にするから」

あの映画がよぎった

折り合いをつけ続ければ
下手に悩まなくは済むけれど
冷たさがどうしてもじんわりと残る気がした。

弱さを見せれば、抱きしめ返してくれ
掴めば手を握り返してくれる人々を
大切にしたい。

お母さんは、早いけど誕生日おめでとう、と
私の後ろ姿を抱きしめて
首元にキスをした。わたしは沢山泣いた。

季節が巡り着くごとに
思い出す誰かや、景色があることは
優しくも、素敵なことだと思う
切なさや尊さは痛むけれど、きっと美しさに変わるはずだ。

" 出口に似た光をはやく探すわ 。"

その誰かは、前を向いた。

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