ボカコレ2024冬ルーキー参加曲『初恋は百合色で』について
ご覧いただきありがとうございます。初めましての方は初めまして、ニコニコ動画やYouTubeにオリジナル楽曲を投稿しています、あまや玲です。
今回はボカコレ2024冬ルーキー参加曲である『初恋は百合色で』について、曲を作った経緯や曲に込めた思いなどを書いて行ければと思います
解説を読む前に曲を聴きたい方は下のリンクから楽曲を聴いていただければ幸いです
そして、僕がここに記す解説はひとつの解釈にすぎませんので、それ以外の感じ方、それとは反対の解釈をしていただいて構いません。
というより、別の解釈をしてもらえる方が僕としては嬉しさもあります。
あなたの感じるままに楽しんでください
さて、それでは本題に参ります
目次は以下のとおりですので、気になった箇所だけでも読んでいただけると嬉しいです。
曲を作った経緯
経緯はひとつではないのですが、何より大きかったものはbacknumberさんの『黄色』という曲に感銘を受けたからです。
この曲は同性愛者の女性の片想いを綴った曲で、見つけた当時、似たような境遇にあった自分はとても共感し心が救われる。そんな感覚を抱きました。
また、MVもとてもおしゃれで美しく、曲としても映像作品としてもお気に入りの楽曲です。
その頃は思いついた歌詞やメロディーをメモるくらいしかしてなかったんですが、この曲に出会って、「僕もこういう曲作りたい」という気持ちになりました。
そんなことを思いながら、時間は過ぎ、大学のDTMの授業で仲間と百合(女性の同性愛 GL の隠語)の曲を作ろうということになり、この曲を作っていくことになりました
作詞について
作詞からはじめた
この曲は作詞から取り掛かりました
僕は基本的に曲を作ろうとすると、詞とメロがほぼ同時に出来上がるorメロが出来上がる。と、このどちらかで初めて行くのですが、この曲は圧倒的に作詞から始まっています
文字数を決めてそこに合わせて詞を考えて…といった感じです
初めての体験で、Aメロとサビの文字数がかぶってメロ考えるのが難しいなどの苦労もありましたが、何とか完成できました
作詞から曲作りをするのも楽しかったです
同性だからこそに焦点を当てた
もう1年半前のことで覚えてないこともあるんですが、百合の曲を書こうとしたときに考えたことが「女性同士だからこそ分かり合えることで優越感に浸るのでは?」ということでした。これは発想の転換といいますか、僕が同性の人に恋したときは「あぁ、僕も女の子にうまれたらな」と思うことが、しょっっっちゅうぅぅありました笑
なので逆に同性だからこそ知れること、異性ではできないことがあるのではないか。と考えました。
それで僕が思いついたのは、すっぴんが見れる事、気軽にボディタッチができること(発想がきもい)、友達として仲良くなれる(なりやすい)ことなどですね、
なので、すっぴんを知ってるから好きな人が一重であることを知っている。や相合傘をして肩が触れ合うといったフレーズを(そのままではないですが)1番のAメロ、Bメロで使っています
あと、2人でプリクラを撮った思い出も女性同士だからできることとして描きました。
まぁ、世のリア充たちは仲良しなら男女関係なくプリクラを撮るのかもしれませんが、僕の人生においてそんな実体験ないので、女性同士だからこそとして挙げてます笑
そしてこのプリクラ、宝物であり碇でもあると楽曲中では表現してるのですが、これ結構好きな表現なんですよね(自分で言うな)
ズッ友と書いたプリ。ずっと一緒に居れるという嬉しさもあれば、恋人にはなることができないことを突き付けられてるような悲しさもある。
その嬉しさを宝物と表現し、その悲しさ、関係を進展させれないもどかしさを碇と表現しました。しかも曲の締めとして「こころを沈めさせる」とおわる。うん、いい(自画自賛)
僕にとって宝物とはワンピースの影響からか海賊のイメージが強く、それもあって碇と対比して歌詞が書けたのが結構うれしかったんですよね笑
あと、自分が同性の人を好きになったときに「最高の友達になろう」となることが多いからこそ生まれた表現だとも思います。だからたぶん。こんなに好きなんだろうなぁと笑
美しく汚い恋
僕にとって同性愛と片想いって似てるんですよね。それこそ美しく汚いもの。まぁ恋すること自体が美しく汚いものだとも思うのですが、片想いや同性愛って、他人には少し認められないものという感覚が僕のなかにはあるのでそういう思いが強いです。
片想いでいうと、片想いなのに嫉妬してしまう。ですとか、片思いに陥ると醜い自分をたくさん見る羽目になる。それなのにそんな自分を好きになってほしいとかですかね。同性愛で言うと、異性を好きになるのが一般的なのに自分はそうではない。ですとか、相手は自分のことを友達と思っているのに異性が好きなのに、こっちは恋愛対象としてみているとかですかね。
こういうふうに醜いし、汚いなと思うんです。自分でも認められない部分があるのに、他人からも認められないと思ってしまう。だってこの想いが他人に認められるときは、すなわち片思いが終わる(両想いになる)ときだし、同性愛に対して特別なマイノリティ的なものを感じなくなる時だしから。
けれど、漫画や小説、ドラマで見ていた恋愛は僕が汚いと思う片想いから始まるし、それなのに美しく綺麗であこがれるようなものとして表現されてる。しかもそれをたくさんの人が認めて共感して良いという評価を下す。
だからきっと、当事者としては汚いものだけど周りから見ると美しいものなのかもしれない、そういうふうにおもうんです。
「純白なはずのこの想い汚くて捨てたくなる」
この歌詞にはそういう思いが込められています。
きっと他人から見ると初恋という純粋で純白なものだけど、自分の中にある感情はそんな美しくない。何なら汚く感じて、今すぐ捨ててしまいたいと思う。この想いを捨ててあなたとただの友達に戻る方が、この想いに出逢わないままの方が美しい気がする。
そんなことを考え、この曲で描こうと頑張りました
表記の違い
実は何か所か歌詞を書き起こすにあたってどの漢字にするかなど、表記方法を悩んだんですよね
錨か碇か、ふたりか2人か二人か、思いか想いか、檸檬かレモンか……
書き出せばキリはないっちゃないのですがどの表記が一番、その感情、情景に近いかなども考えて作ってます
なので皆さんにも考えてほしいし、感じてほしいし気づいてほしい。そんなエゴがあるので少しご紹介します
ふたりは君と私を表しているし、2人はただ単に人数的な意味合いが強い といった感じです
それ以外の意味もきっとあります。なぜきっとかというと、思いついた表記が正しいか後付け的に理由付けしてるからなんですね
基本的には感覚、直感的にこの方がいい。というものがあって、それが本当にそうなのか、思い込みではないのか他の表記方法も考えてみます
そして、インターネットで調べ、比較したうえでそれぞれの表記方法に自分なりに納得のいく理由付けをしてみるんですよね
二人より2人の方が柔らかい感じがするからこのときは2人だな、とか
ふたりのほうが特別感を感じるから私たちふたりきりみたいな意味があるように感じるなぁといった具合ですね
碇に関しては文字を見た時に感じるものを採用しています。
「石で場所を定めると書いて碇」
僕がこの曲のいかりに求めてるものは、沈んでいく重しとしてのいかり、その場から動くことのできないように止めるためのいかりでした。そういった意味をより強く感じれるように一般的に使われる錨ではなく、碇を使用しました。
とまぁ、こんな感じでいろいろ考えて、自分の直感を少しでも噛み砕きながら表記を決めました。まだ自分では気づけてない理由もあるので、皆さんがどのように感じたかも知りたいです笑
作曲編曲について
初めての作曲編曲作業
実はこの楽曲、僕が人生で初めて完成させた曲なんですよね。しかも、先ほど書いた通り、この曲は初めて完全詞先で作った曲だったのでメロディを歌詞につけるという作業も初めてで結構てこずりました。
コード進行も知らない、編曲の仕方もわからない。そんな状態でネットで色々調べながら作った曲なんです。だからこそ、ボカコレルーキーに投稿したかった。僕が人生で初めて作った曲はルーキーの中でどのように評価されるか知りたかったんです。
コード進行って難しい気がしてた
この楽曲は間奏以外はきっとでたらめなコード進行になってると思います。なぜなら、調べてないので笑
難しいイメージだったんですよね、先にメロディーを作っていたので、そのあとにコード進行を組み合わせても綺麗なものにはならないかなと思い込んでいました。なので、進行はわからないから、コードだけ調べてそれをつなげていくという方法にしました。もしかすると途中で有名なコード進行も出てきてるのかもしれません。まぁ、そのあとの曲作りでメロ先でもコード進行つけれることを知るんですが笑
ちなみに間奏は全くメロディが浮かばなかったので、コード進行を決めて、そのあとにメロディを付けました。結構間奏も気に入っています笑
管楽器によるアレンジ
この楽曲は基本的に管楽器でアレンジを付けました。最初はギターでコードを決めて、そのあとベースとドラムを付けたんですが、何か物足りない感じがあったので、どう編曲するか悩みました。悩みに悩んで何回も曲を聴いていたら、Bメロでフルートとクラリネットの音を思いついたんですよね。中学時代吹奏楽部に在籍していたので、多分その影響です。
そこから、ブラスバンドアレンジで編曲作業を詰めていきました。
僕は金管楽器出身なんですが、この曲にあまり金管楽器が合うイメージがわかなくて、金管楽器はなしで作りました。まぁ、その影響で全然イメージが湧かなかった笑。だって金管からすると、木管が何してるかあんまり覚えてないもん!!(酷い) 現役時代はもちろん木管金管打楽器それぞれ何してるか意識してましたが、もう忘れてましたね笑
なので一般的なこととかはもうあきらめて、自分の中で湧き出る音を大切にしました。歌メロの間にこんな音が欲しいな。とか、こういう動きをしてる音があったらどうなんだろうと試行錯誤して、気持ちのいいものを探したりしました。
その際に意識したのは決め所は似た動きをするけど、基本的にはそれぞれ別の動きをさせることですね。それが正解かはわからないですが、この曲は別々の動きさせたかったんですよね。それはきっと、片思いや同性を好きになってしまったことへの困惑や迷いみたいなものが感じやすいからなのかもしれません。
あとあれですね、それぞれの楽器に決め所を作ることも意識してます。これは演奏者目線ですが、自分が担当してる楽器に魅せ場がある方が演奏してて楽しいのでね笑
こんなことを考えながら管楽器によるアレンジをつけていきました。
この曲1番のこだわりポイント
ここまでいろいろと解説をしてきましたがこの曲いちばんのこだわりポイントを解説してこの記事を締めたいと思います。ここまでお付き合いくださった方。ありがとうございます。
この曲1番のこだわりポイントはサビ頭です(単純)
1番、2番と少しアレンジを変え、2番のサビはMVでの表現も少し変えました。
サビ頭は共に初音ミクちゃんの声のみのアレンジにしています。
1番では「純白なはずのこの想い」。2番では「2人の秘密は消え失せて横歩くあなたはもういない」の部分をミクちゃんの声のみにしました。歌メロのみにすることにより、1番は初恋の「純白さ」を表現し、2番では1人になってしまった「寂しさ」を表現しています。
プラスで、その後に続く伴奏が入ってくるところにも実は理由があり、1番では「心の葛藤、初恋の汚さ」を2番では「より溢れてしまった寂しさ、初恋が叶わなかった切なさ」を表現するために伴奏が入ってくるという表現にしました。
いちばんこだわったところだから、話したいという気持ちと、逆に素のままを感じて欲しいという気持ちもあるので、もう少しサビについての話したさはあるのですが、ここら辺で終わろうと思います
おわりに
はい、他にも解説できるところはあるのですが、ここら辺で終わりたいと思います!ここまでご覧いただきありがとうございました。
ボカコレ2024冬ルーキーは2月25日17:00までが集計期間のランキング形式の企画ですので、皆さん、よろしければ、お聞きください
記事をご視聴いただきありがとうございました。
それでは、また。
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