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円安だのインフレだのと言うけれど

円安への対応?

ロイターのニュースでこんなのを見つけました。
5月ロイター企業調査:円安進行で「大規模緩和修正が必要」6割

ひとまず、視点をわれわれ一般庶民に合わせます。
我々一般庶民にとって目下の問題は物価高です。
私もここ数週間、スーパーに行くたびに実感しています。
食料品を含め様々な物の価格が上昇していて、昨年あたりよりもお金の減り方が明らかに早くなっています。
で、この物価高の事を端的にインフレとし、その原因を円安の急激な進行という位置づけにしているため、日本企業の多くが現在の緩和政策を転換して円安を止めることが必要であると考えているという内容なのですが、これ、こんな単純な問題でしょうか?

日本のインフレは単なる物価高

あまりにも急激に進行しない限り、本来インフレと言うのは歓迎すべきものです。
①企業の業績が上がる

②企業が従業員の賃金を上げ、株主への配当を増やす(市場への利益還元)

③人々の所得が増え、財布のひもが緩み、購買意欲が増大する

④物が売れまくる

⑤物が不足する

⑥物価が上昇する

と、このようにまずインフレの大前提として 
「企業の業績が上がる」
「企業が市場に利益を還元する」
がなければなりません。
そうしなければ人々の購買意欲が上がるはずもないからです。
日本の場合、そもそもこの根本が欠落しています。
起業の業績だけを考えると、コロナ禍の中、昨年は日経平均株価が30年ぶりの高値をつけました。
アメリカを同一期間で見るとダウ30種平均は10倍に跳ね上がってします。
日本は
「ようやく30年前の水準に戻った」
アメリカは
「30年前の10倍になった」
という事です。

だからアメリカは雇用が増大し現在はほぼ完全雇用に近い水準になっていますし、平均賃金も順調に伸びています。政府の緩和政策やコロナ給付金は消費や投資に使われ実際に市場に回っているのです。

日本はどうでしょうか?
30年前のバブル期と同レベルまで株価は上昇しても企業はバブル期ほど賃金アップはしていないし、相変わらず正規雇用は低く、庶民に景気が良くなったという実感は全くありません。
要するに日本にはお金が回っていないのです。
庶民はコロナ給付金も消費ではなく貯金や借金の返済に回してしまいます。
景気が悪いのでたかだか10万円程度のお金が入ったところでそれを余剰資金として消費に回す余裕はないのです。

日本は資源を輸入に頼っている国です。
昨年来の原油の高騰、そこに追い打ちをかけるようにロシアがウクライナに侵攻し、原油や食料の供給不足も相俟って、日本の物価はどんどん上昇しているのです。
したがって本来循環すべきお金がまったく循環していない日本で今、起きていることと言うのはインフレと言うよりは資源・物資の供給不足による「急激な物価高騰」なのです。
と、いうことはコロナ騒動がやや落ち着いて来た現在、懸念すべきはロシアの動向だけなのです。いわばこれが沈静化すれば日本国内にも好循環が生まれる可能性はあります。

利上げは悪手

日銀の黒田総裁は、円安が進行しても緩和的政策を維持し、利上げには消極的な姿勢を固持しています。
私の個人的な意見としては、この姿勢は正解だと思います。
利上げをするという事は、企業が借り入れている資金の金利も上昇するという事です。
すでに利上げを始めているアメリカでは、資金調達が莫大な巨大企業を中心に株価の下落が始まっています。
単純に利上げをすれば、日本でも同様のことが起こります。
アメリカは30年前の10倍になり、緩和政策により大きくなり過ぎた消費活動を縮小するために意図的に景気の減速を狙っているのでこれでいいのです。
日本の場合は昨年、ようやく30年前の水準に戻ったばかりの企業の業績が逆戻りするということです。
単純な円安誘導目的の利上げはコロナ禍で体質が弱体化している企業で倒産の連鎖を引き起こす可能性もあると思います。

日本が苦境から脱するためには

株価が上昇し、30年前の水準に戻ってさえ、日本の企業は賃金を上げ渋り、内部留保を増やしています。政府が内部留保を切り崩してでも賃金を上げるように要請しても従いません。
これは庶民が給付金を貰っても消費せずに預貯金に回すのと同じことで、もしかしたら日本人の体質なのかもしれません。
しかし、バブル全盛の時代にはタクシーに1万円単位のチップを渡したとか、接待費を湯水のように使いまくったとかいう過去もあるので、本当に潤沢に資金があると実感できれば、日本人もお金を使うのです。

日本経済が庶民の生活から底上げされ、資金が循環し、好景気を前提とした健全なインフレーションを迎えるには、まず賃金や配当などの直接的な形で企業が資金を市場に返還することが最重要だと思います。
今は事業規模の拡大などに対する投資を中止して内部留保を大幅に縮小してでも、数年にわたって従業員や株主に潤沢な資金還元を実行すべき時だと思います。

以上、ニュースを目にして前々から思っていたことを勝手に書き殴ってみました(笑)

安月給の人が、老後の資金を減らしてまで消費するわけないじゃないですか?
景気を良くするには給料を上げるのが一番!て単純な話です。
企業は人がお金使いたくなるまでガンガン給料上げてください!

※この記事はトーシローの身勝手極まりない個人的な見解です。
 細かいことは考えていません(笑)





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