運がいい人
「運はよりよき人に随伴す」
ローマの政治家であり歴史家の
ガイウス・サルスティウス・クリスプス(前86〜前35)の言葉。
彼は共和政ローマの政治家・軍人のジュリアス・シーザー
(ユリウス・カエサル、前100頃〜前44)と元老院が対立した時、
シーザーを助けて戦い、成功させるのに貢献した人物である。
したがって、
「いい人には運がついてくる」
とはシーザーのことを言ったのかもしれない。
私の観察するところでも、長い目で見れば、
いい人の方がいい運に恵まれる可能性が高いようである。
〈渡部昇一〉
♠️ 犬も歩けば棒にあたる (江戸いろはかるたの第一句)
大阪の第一句は「石の上にも三年」である。
犬だって出歩くと棒にあたる。
つまり災難に遭う、だからおせっかいはよせというのが元の意味。
だが、今はまるで逆なふうに使われている。
「クヨクヨすることはない、世の中、何かしているうちに必ず思いがけない幸福に出会うものだ」
という意味に転じているのだから不思議である。
災難のシンボルであった棒が、幸運に変わったのは、
日本人の心の中にある大凶は大吉に通じる、
大吉は大凶に転じる可能性があるといった考え方によるものではあるまいか。
不幸が極まれば、あとはそれ以上落ちることはない、
よくなっていくばかりである。
そう考えて楽天的に生きていかなければ、
当時の庶民としては耐えられなかったのだろう。
ー『座右の銘』研究会ー
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