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渡部昇一流『四書五経』の解釈

107、油断大敵
国に小なし。
易(あなど)るべからざるなり。
備えなくば、衆と雖(いえど)も恃(たの)むべからざるなり。
(『左伝』僖公二十二年)


小さいからといって侮ってはいけない。
十分に準備をしなければ、たくさんの味方がいるようでもあてにはならない。

こんな話がある。
ある大企業の部長が、下請けの中小企業に傲慢な態度をとった。
すると下請企業「お宅と取引してもらわなくても構いません」と言われた。
そこは小さな部品会社だったけれど、
その部品がないと、大企業の商品が造れないほど重要な部分を担っていたのである。

結局、その部長は失脚してしまったそうだ。
小さいからといって侮ってしまったことが、失敗の原因になったのである。
何事であれ侮らず、準備を怠らずにいなくてはいけない。

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