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ご縁 

阿寒湖のコタンの中に、アイヌ料理を食べさせてくれるお店があると、テレビで見た。
今回は、そこも是非伺いたいと思っていたが
いつ行っても閉まっていた。
気づくと、時間が合わないのだ。
なので、
2日目、時間を確認して絶対にオープンしている時間に行ったが、
看板は、またクローズのままだ。

すると、
隣のお店「マツネシリ」さんのオーナーさんが
「今日はお休みだよ。」と教えてくれた。

残念。
まさに、ご縁がなかったんだ。

で、
近くにある、わかさぎの天ぷらを食べに行った。

 

お店には待っている人がたくさんいて、
天ぷらのいい匂いが。
出てきたわかさぎはサクサクで、お蕎麦も美味しくて、
あっという間に、お腹の中に。

そして、コタンに戻ったら、
「マツネシリ」のオーナーさんが転げるように飛び出してきて

「ごめん。謝らなきゃいけないと思って。
 お休みじゃなかったんだよ。
 遅れて開けられたみたいで。申し訳ない」と本当に申し訳なさそうに。

いやいや、とんでもない。めちゃくちゃ美味しかったですから。

と、言いつつ、お店の中に。

見渡す限り、木彫製品。
細かい彫りの作品に感動。

買い物が進む中で、色々とお話をしていると、
まあ、大抵 どこに行ってきたの??
と、聞かれる。

行った先を伝えていると、
じゃあ、
「オンネトー」と「サクラの滝」は行ってないなら、行ったほうがいい。
オンネトーはこんなに綺麗でと写真を見せてくださる。

サクラの滝は、
今なら、サクラマスが滝登りをしているところが見られるから
是非と。

「ヒグマは出ませんか?」と聞くと
「大丈夫。すぐ近くまで行けるし、人もいっぱいいるから。」と。
「実は、神の子池も行きたかったんだけど、熊の目撃情報もあるし、林道を行かないと
 いけないからやめた方がいいって言われて」と伝えると
「えーーー 大丈夫だよ。今は、すぐ近くまで車でも行けるし、
 せっかくだから、行ったほうがいい」と。

この三か所。
・神の子池
・サクラの滝
・オンネトー

この方に出会わなければ、出会えなかった場所。

どこも 素晴らしかった。

 
 

オンネトーでは、
人がまばらで、
湖に向かって、ムックリを放たせてもらった。
自然の中でのムックリは
今までにない、自分を感じられた。
自然・自分、どちらも自らだ。

 

サクラの滝では、何度も何度も繰り返し、滝の壁にぶつかっては落ち、
それでも、
諦めずに、チャレンジしていたサクラマスの姿があった。
生まれた川に還る本能に、また、
先日、神の国に還った彼女の姿が重なった。

彼女は無事に、この滝を越えたのだろうか。

そんなことを思ったら、
ふと、目の前に、漂うタンポポの綿毛が飛んできて、
「大丈夫、私はこんなふうに漂いながら進んでいるから」と
どこからともなく 声が聞こえてきたような気がした。

どうにも越えられそうにない壁を越えるように生きてきた。
何度、大切な人の死に立ち会い、
何度、残された命を感じたかわからない。
でも、すぐそのことを忘れて、
越えられそうにない壁の前で、満たされない思いを、感じ続けていただろう。
サクラマスは、
越えられようと、越えられまいと、ただ、飛び跳ねずにはいられないのだろう。
きっと、ここだけじゃない。
たくさんの壁を越え続けてここにいる。
越える、超えられないじゃなくて
今、何をするか。それだけだと言われているようだった。

サクラの滝から、念願の神の子池へ

 
 

摩周湖 カムイトからの伏流水。
美しすぎた。

 

空の青
反射する影
湧き出す泉

ただ
ただ
美しい。
言葉がない。
今も、あの、水に浸されたように、パッキングされたモードが
心には、有る。

ご縁が繋いでくれた場所。

この数日を心の中で振り返った。

ご縁・ゴエン
これしか、なかったなと改めて思った。

人生は、
これがなければ、これはない。
その一瞬のささやかな鎖のつながりのような
繊細な作動があるのだろうと思う。
出会う方々が、心に鎖のように連動している。
もう一度、お会いしたい。
この人と、ではなく、
この全てと。

そう思わせてくれる旅は、私にはそんなに多くない。

道東が心に刻まれていく。

ここから、
14名の生徒さんを迎えて
いよいよ
ネバーランドの恒例のツアーが始まる。
今度は、
道央の旅が始まる。

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