ポムちゃんと汚れたシャツくん
ある日、ロボのポムちゃんは、“シミ”のついたシャツくんに会いました。
「どうしてそんなに汚れているの?」
ポムちゃんが聞きました。
「これは“シミ”なんだよ。“悲シミ”、“苦シミ”。ついてしまったら“シミ”はもう落ちないんだ」
汚れたシャツくんは泣きながら言いました。ポムちゃんはその話を聞いてうらやましいと言いました。汚れたシャツくんはびっくりしてしまいました。だって、悲“シミ”や“苦シミ”をうらやましいと言われたからです。
「どうしてうらやましいの?」
ポムちゃんがあまりにうらやましがるので、汚れたシャツくんは、だんだん不機嫌になってきました。自分が哀れだと思っていたので、なんだか自分が笑われたような気になったのです。
「だって“シミ”は落ちないんでしょう?それなら楽“シミ”も、いつまでも消えないから幸せでしょう?悲“シミ”や苦“シミ”より、楽“シミ”がたくさん出来たら、きっと美しい色になるんだね」
その話をきいた汚れたシャツくんは、自分を哀れむのをやめました。
そして、悲“シミ”や苦“シミ”より、楽“シミ”をどんどん増やして、とても美しいシャツになりました。
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