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先延ばし癖で苦しんでいる方へお伝えしたいこと

ついつい先延ばしをしてしまう自分にがっかりしてしまうことがあると思います。
そんな自分を厳しく責めてしまうこともあると思います。

私も衝動性が強く、先延ばししやすい人間なのでそれはわかります。
今はある程度自分をコントロールできるようになりましたが、30年ほど前は自分の不甲斐なさに対する強い自己嫌悪で押し潰されそうになっていた時期もありました。
そのときのことを今も良く覚えています。
思い出すと今でも鮮明にあの時味わった感覚が蘇ってきます。
自己破滅的だったと思いますし、30歳くらいの頃は危機感も感じていましたね。
とにかく自分の気に入ったことしかできない人間になっていたと思います。

幸いにして今の私は「これはすぐにやっておいたほうが良い」と思うことについては、先延ばしをしたい気持ちに抗うどころか「頼まれても先延ばしはしません!」くらいになってますので、昔の自分を客観的に振り返ることができます。
まぁでも、私の中で重要視していないことについては今も相変わらず先延ばしすることはありますけどね。
例えば部屋の片づけや掃除とかですね。
「今日は忙しいから無理してやらなくてもいっか」なんて感じで。
でもそれらのことについても、私が重要視するようになれば先延ばしせずにできるようになるだろうと思えていたりもします。
先延ばしは誰でも少なからずすることなので、あまりストイックになり過ぎても良くないのかもしれません。

おっと、私の話はこのへんにしますよ。
そうそう。大変おこがましいとは思いますが、私が先延ばし癖で苦しまれている方にお伝えたいことです。


まずお伝えしたいことは、先延ばしばかりしてしまう自分を嫌悪したり、まわりに迷惑をかけてしまったことについて強く罪悪感を抱いたりして苦しんでいる方には、できる限り速やかにその状態から抜け出していただきたいということ。
なぜなら、そんな状態に長く浸ってしまっていると、気の乗らないことに取り組むためのエネルギーがなくなってしまうからです。
気の乗らないことに取り組むにはエネルギーが必要であることを忘れないでいてくださいね。
でもそれは決して「開き直ってまわりを気にせず気楽に生きましょう」ということではありません。

これまで上手くいかなかったことについてはもう変えられませんから、それについては抵抗せずに受け入れてしまいましょう。
その後、これまでのことについて一度しっかりと反省したら、「これまでのことはこれまでのこと。ここから違う行動がとれるようにしよう!」と気持ちをリセットすることができると良いと思います。

なお、先延ばし癖に関して、人は「変身しよう」という意志をしっかりと持てば、結構いい感じに変身することが可能だと私は考えています。
実際私は、私自身を含め、そういう方たちを何人も見てきています。
いきなり大変身しようと考えずに、じっくりと、植物が成長していくかのように変身していこうと考えるのが良いかもしれません。
大変身しようとするとがっかりの連続になってしまうかもしれませんからね。


あとは、「苦手に向き合うことは簡単なことではない」ということの理解も大切だと思います。

例えば「仕事はできるけど料理はできない」などのように、人は誰にでも得手不得手があったりします。
苦手は誰にでもあるのです。
仕事ができて社会的評価が高い人の場合は、「私は料理が苦手だから料理はしないんです~」と言っても、まわりの人たちは特にその言動について「怠け者め!」などと反応することもなく「そうなんですね~」くらいで済んでしまうのかもしれません。
そんなふうに実際は、意外と多くの人が自分の苦手から目を逸らしていたりするものです。
もちろん、その苦手を「問題視するほどのことではない」と認識できるからこそ目を逸らせるわけですけどね。

でも、「先延ばしをしない」ことが苦手な人はそうもいきません。
自分だけのことなら「問題視するほどのことではない」と認識することもできるのでしょうけど、社会に出ると大抵の場合そうもいかなくなります。
自分が先延ばしをすることによってまわりの人に迷惑をかけてしまったり、社内での評価を落としてしまったりする危険を感じるようになるからです。
その点からすると、誰もが持っている苦手がたまたま「先延ばしをしない」ことだったのは残念なことです。

たしかに、先延ばしをしがちな点を高く評価する人はいないでしょう。
でも私は、多くの人たちが自分の苦手から目を逸らしがちな中で、「また先延ばしをしてしまった!なんて馬鹿なことをしてしまったんだ!こんなんじゃダメだ!」と苦しみながらも自分の苦手に向き合い続けているという点については、もっと高く評価されるべきなのではないかと思うのです。
「苦手に向き合わざるを得ない」という言い方もできるのかもしれませんけど、それは苦痛に向き合い続ける毎日であって、相当ハードなことなわけですからね。
例えば、私は先延ばし癖を改善しようとカウンセリングを申し込まれる方たちには、本当に尊敬の念を抱きますよ。その点で。
お金やエネルギーを使う取り組みですし、カウンセリングの申込みをするときには相当な勇気が必要だということも知ってますしね。
主体的に自分の苦手に向き合っているわけではないにしても、多くの人たちが目を逸らしたくなる自分の苦手に向き合い続けているということは事実です。
その点については、いくらか自分を褒めてあげても良いのではないかと思います。


次にお伝えしたいことは、「たまたま多くの人たちが当たり前のようにできることが自分の苦手だった」ことの現実を受け入れることと、「自分の当たり前は相手の当たり前ではない・相手の当たり前は自分の当たり前ではない」ことの理解についてです。

得手不得手が誰にでもあることは先ほどお伝えした通りです。
辛い現実ではありますが、先延ばし癖については、まわりの人たちの多くが当たり前のようにできてしまうことが、たまたま自分の苦手だったということなんですよね。
たまたまなのです。
たまたまそれが自分の苦手だっただけなのです。
辛いですけど、これは受け入れなければならない現実です。
何が辛いかって、たいていの場合、まわりの人たちにとって「先延ばしをしない」ことが当たり前のようにできることだったりするから、それが上手くできない人は「なんでそんなこともできないの?」と思われがちなことですかね。
先延ばしをしないことは当たり前のようにできるけど、先延ばしをしないことが苦手な人が当たり前のようにできることを、その人たちができないことだってあるのかもしれないのに。

人は誰だって得手不得手があるのです。
自分の当たり前は相手の当たり前ではないのです。
相手の当たり前も自分の当たり前ではないのです。
このことを人はついつい忘れがちだと思います。
あっ、当たり前にできる人を批判しているわけではないですよ。念のため。

先延ばし癖のある方は、「先延ばしをしない」ことについて「自分にとっては本当に難しいことだけど、たまたまそれはまわりの多くの人たちにとってはそれほど難しいことではないことだった」という現実を受け入れるとともに、自分に対するまわりの評価を気にし過ぎず、自分の理想像に到達することに集中していれば良いのだと思います。

運動が苦手、歌が苦手、絵を描くのが苦手など、日常生活であまり目立たない苦手しかない人は幸運と言えるのかもしれません。
でも「先延ばしをしない」ことの苦手はどうしても目立ってしまうんですよね。
そして、隠そうとしても隠せなかったりもしますね。
それゆえいろいろと辛い経験をしてしまうんですよね。
でも先ほどお伝えした通り、人は「変身したい」という強い意志を持てば、結構いい感じに先延ばし癖を改善できると私は考えています。
「この先もずっとこのままだ」と諦める必要はないと思います。


先延ばし癖があると、本来自分の持っているポテンシャルを上手く発揮できないことが多々あると思います。
先延ばし癖が局所的に改善するだけでも(例えば「仕事に関することだけ」など)、世界の見え方がいくらか変わると思います。
私は「先延ばし癖の改善が才能の開花につながる」なんてことをたまに言ったりしますが、もちろんそれは本心です。
全然きれいごとではありません。
先延ばし癖を改善しようと、日々苦しみながらも自分の苦手と向き合い続けている方には、一日も早くそんな日が訪れてほしいと思います。
長いこと自分の苦手と向き合い続けてきたのですから、それなりのご褒美をいただかないといけませんね。

進化しているかどうかは別として、自分の苦手にずっと向き合い続けている自分をたまには褒めてあげてくださいね。
それは自分を褒めるに値することだと思いますので。

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