見出し画像

独身アラフォー女性の奮闘記#4 39歳で結婚紹介所に登録した面食い女の末路

ノリと好奇心に支配されて脳死した

2022年の夏を迎える前に、定期的会っていた友達とはそれぞれの都合で少しだけ疎遠になり、長年寄り添った小さな同居犬も天国旅行に旅立ってしまった私が辿り着いたのは…「そうだ、Tinderで外国人とかに気軽な感じで話し相手になってもーらおっと」であった。
が、私の初Tinder&初エンカウントの儚くも悲しい物語の前に、39歳で結婚紹介所に登録した話をしておこうと思う。


39歳当時の血迷った投資

同級生の会社の人が、結婚紹介所に登録したらしい。そんなのは、独身のアラフォー女性同士ではよく聞く「老後うちらどーするぅ?」エピソードの蛇足あるあるだ。しかし、私の心の片隅には、その同級生が言った言葉が深く刻まれていた。
「結婚紹介所のマッチングシステムは年齢で区切られるから、始めるなら40になる前に始めないと、誕生日の前後で全然紹介される相手がかわるらしいよ。」

昨年夏にブラック企業から超絶ホワイト企業に転職した私は、暇を持て余したことと、私の結婚などとうの昔に諦めたと思われた両親から、久々に「独身だから心配」みたいなことを言われたのをきっかけに、39歳のうちにやってみようかな?という魔が差し、転職時のサインオンボーナスを3〜40代女性向けの結婚紹介所に投資した。

自分で言うのもおこがましいのだが、私は実年齢よりも若く見られるし、世間的にも容姿は悪くない方に分類されると思う。それでもデータ上は39歳。結婚紹介所に登録している同世代の男性は20代女性しかターゲットにしていないし、オファーが来るのは50代で年収が私より少ない男性ばっかり…。まあ、「39歳の市場価値なんてこんなもんだよね」と、私は開始2か月程度で早々に戦線離脱してしまった。

だって、女の私が20代の男性だけをターゲットにしていたらキモいでしょ。それと同様に、20代女性しかターゲットにしない同年代の男性がちょっと気持ち悪かったし、年上で年収も自分より劣る人に対しては、「私にその人と一緒になるメリットある?」という気持ちと、「その年齢で私より年収低いとか無能なの?」という性格の悪さが顔を出してしまい、人の悪い所しか探せない自分にも嫌気が差してしまったのだった。


お見合いしてみたけど、なんかごめんね

しかし、決して安くない金額を投資していたので、なんとか「この条件なら会ってみてもいいでしょう」という方と、1度だけお見合いをしてみた。人柄、話し方、マナー、ご職業。どれも悪くない。
でも、お相手の方のある質問で私は急に気分を害してしまった。
その質問は
「お子さんは欲しいですか?」
である。

結婚したい人しか居ないんだから、そういう話になるのは頭では十分理解できる。でもさ、初対面の、よく知りもしない男性から、子供欲しいですかってなんか猛烈に気持ちが悪い質問だなって思ったら萎えてしまった。
「あなた今、私と結婚して子供がいる家庭を想像しましたよね?してないかもしれないけど!それってめちゃくちゃ気持ちが悪いじゃん!!!無理!」って。
ただ、このリアクションは、恐らく私が相当なイカレ女だからだと思うので、世の婚活男性は気にしないように。私以外の女性は、そういう価値観も、ちゃんとすり合わせてくれると思う。

とはいえ、私も一応節度ある大人なので、その場は適当に会話をして終了。紹介所には、帰り道で速攻、お断りのお返事をした。


そうだ、私大面食いだった

この一件を受けて、「私って全然結婚したくないんじゃない?だったら、真剣に考えている相手に失礼だから、もうやめよう」という気持ちが強くなった。
私は、仕事だけは自分を犠牲にして頑張ってきてしまったので、世間の同世代女性の平均年収は大幅に上回っている。だからこそ、自由に経済ぶん回すオタク活動を楽しんでいるし、女友達とちょっと良いお肉を食べに行ったり旅行に行く方が、知らないおじさんとお見合いするより絶対的に楽しい。
そんな報告を、友人にしたら「そもそもかっこいい人とか居るの?その紹介のやつ」って言われて「いるわけないじゃん」と答えたら「こじらせ大面食いのくせになんでそんな所にお金を捨てたんだ!!」と叱られた。

そうだ。私、ただの面食いだった。
それも、祖母の代から遺伝している大面食いだ。同棲していた元カレも、顔が好きってだけで、経済力も甲斐性も何もなかった。でも顔が好きだから、一緒に居て幸せだった。

私の祖母は、ひとめ惚れした大イケメンの祖父をストーキングして結婚にこじつけ、2児を出産するも離縁することになり、私の父を養子に出して出戻ったという逸話がある。因みに、その祖父の写真を一度だけ見たことがあるが、玉木宏みたいな顔だった。もちろん、その血を引いている父も若い頃は大層なイケメンだったので、母も漏れなく面食いだ。
私もオタク活動においては何を隠そう、まずは顔から入る顔ファンである。中学生の頃、テレビで見かけてから「将来この顔の男の人と結婚する!」と思っていたバンドマンと、20代でいい関係になったことがあったくらいに、祖母のストーカー気質までをも引き継いでしまっている。
みなまで言うな、拗らせ以外のなんでもない自覚はある。

でもね、こんな私に、誰もが指摘するんだ。「いい年して、面食いとか損してるよ?人間、顔だけじゃないよ」って。

はあ…。

顔には人柄も出るでしょう?
どんなに素晴らしい条件の人でも、「この男とはキスできないや」って思ったらもう、本能レベルで無理ということだから。
熱帯にいる鳥のメスだって、より派手でかっこいい羽のオスを選んでるわけで、私は哺乳動物として、遺伝子からの伝達パルスに従っているだけなのだ。


お金持ちなら誰とでも寝れる女友達のまさか

広告代理店時代の友人で、若い頃は不倫ばかりしていた女がいる。同世代で気が合うので今でも仲良くしているのだが、彼女は同僚だった当時、よく「お金を持っている人だったら誰でもいい。たとえそれがどんな容姿の男性でも、何歳の人でも、お金持ちだと思えばセックスできる」と言っていた。一方で、私は「お金はなくても顔がすべて」という主張をして、お互いに両極端クズだねって言いながらお酒を飲み交わしたものだった。

その彼女が、昨年入籍した。
お相手はバツ3、前妻たちとの間に子供がいる、そこまでお金持ちではない男性だった。当然、私はあんなにお金持ちを求めていた彼女に、何が決め手だったのかきいてみた。
「顔がタイプだったんだよね~笑」

は?
あんなに顔じゃないって、お金だって言ってたじゃん!
彼女は、「やっぱ顔だったわ!」って何度も私に言った。
勿論、過去がなんであれ、彼女の旦那様はとってもいい人で、私も心から祝福しているし、顔だけなんてことはないんだけど、要するに、第一印象をどこまで重要視するかも、人の縁に少なからず影響があるんだよってことを私は言いたい。
人それぞれ、優先順位の順番が違っていいし、私の場合は「顔が良い」がだいぶ重要なだけなのだ。


結婚に興味がないっていうか、他人に興味が持てない

そんなわけで、結婚紹介所に登録することで、私は自分がそこまで結婚に興味がないことを理解した。
結婚がしたい、という欲求よりも、結婚したいと思わせるだけの興味関心を刺激してくれる異性と出会いたい、という気持ちが勝っているのだ。
そもそも、一人で生きていくには十分な経済力があって、社会的地位もそこそこ築いているようなキャリアがある私にとって、結婚って別に、したくなければしなくていいものだと思う。
子供は産んでみたいと思うけど、子供を産むために結婚したいとまでは思っていないし、もし今後、結婚を考えるような相手と出会った時に、妊娠出産が難しい年齢だったとしたら、簡単に諦めることができると思っている。
現時点で既に、来世に期待!って気持ちがかなり強いし。

私の周りにはアクが強くて面白い人間が多いので、普通の仕事をしている普通の男性だと物足りないと感じてしまう。女性の扱いについても、欧米育ちの私からすると、日本人男性はどう頑張ってもスムーズにできる人は少ないし、無理してるのがちょっとキモいと思ってしまう節がある。
話も面白くない、イケメンでもない人にアプローチされても、興味が持てない。頑張って私を落とそうとしている人に対してほど、なんだかしらけてしまう…。年収も、持っている資産もステータスも、好みの顔の一文無しには敵わない。いや、リアル一文無しは流石にイケメンでも無理か。
我がままなんだよね。でも、この年齢までこれで生きてきたら、今更妥協する気も起きない。

他人に興味を持てない私の思考が、他人と人生を添い遂げることにまで追いつくわけがなかろう。QED。


目には目を、歯には歯を

こういった経験やエピソードを踏まえて、結婚紹介所は、本当に結婚を望んでいる人向けなんだなっていう、考えなくてもわかる、当たり前の結論に至った。(この一文、我ながら頭が悪すぎて笑える。)
超短い婚活体験だったが、結婚相手を見つけることに対して真剣になれる人が羨ましいな、とも思った。そんな風に、他人に興味を持ってみたい。

そしてこの夏、「暇つぶしの相手が欲しいなー。でもせっかくなら顔も選びたいなー」となったわけだが、外国人とイケメンを探すなら、やっぱりTinderなんでしょ?という軽いノリと思い付きで、私はTinderとかいう魔窟に手を出してしまったのである。
あ、因みに40歳のBBAがイケメンと出会えるわけない説があることも承知しているが、私には、その戦場で戦えるという、根拠のない自信があった。

(恋愛や結婚に)真剣じゃない私が、真剣じゃない(体目的の)出会いを求める異性にエンカウントしたらどうなってしまうのか。

次回、いよいよTinder編が始動する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?