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まあお 読書ツイート集 2020-5月付近

皆さん、こんにちは! 自称作家の あまおう まあお です!
いやァ、暑いですね? 暑いですよね! 私だけじゃないと思いたいんですが、なんかもう……コロナ関係なく外に出たくない今日このごろです。

暑いので!!

というわけで(?)最近読んだ本をご紹介いたします。また量あるんで、サクサクいくよ!

2020-05-07
【読んだ!】クレボルド氏「息子が殺人犯になった」
コロンバイン高校銃乱射事件・加害生徒の母の告白
この方はマジメで知的レベルの高い女性のようです。息子も報道されたようなナードというわけでもないようで。
それでも事件は防げなかった。
ペットだって病気を隠す。況んや思春期の少年をや。

2020-05-08
【読んだ】シュライヴァー「少年は残酷な弓を射る」上
これ、映画先に観たんですよ。まだ上巻なんですけど、だいぶ語り口が違います。
謎だったことが、小説には書いてある。
下巻も今日読みます! 今の疑問は、この小説は英オレンジ賞作品なのですが、舞台は米国。作家は米国人? よくわからん。

【読んだ!】シュライヴァー「少年は残酷な弓を射る」下
素晴らしくよく書かれた小説「と思う」。これを読むべきは幸せな家庭のよい母と子であるが、彼らには何が書いてあるかが永遠に分からないのだろう。
でなければこんな邦題で売り出すはずもない。
日本は大部分が平和のようでよかった。#傑作

2020-05-09
【読んだ!】ヒーリー「抗うつ薬の功罪」
SSRIの米国訴訟問題の本。著者は第一線の医師で教授。であるからこそ権威や誘導に注意を払って読了。
素人の知識では何も申し上げられません。確実なのは「薬には必ず副作用がある」これだけです。
どんな薬も「リスク」を感じながら服用してくださいね。

不安に思う方がおられては困るので、あえて製品名は挙げません。
疑問があれば、ご自身で「信頼できる」ソースを見つけて、医師や薬剤師に納得いくまで説明を求めてください。
私は中学一年生の時宿題で「薬と副作用」というタイトルの小論文を書きましたよ。

2020-05-10
【読んだ】「『少年A』この子を生んで……」
コロンバインに比べると知的とは言えない親御さんだが、どうもAは被虐待児ではないよね?
他人も家族も恋人も。誰かを理解することは不可能です。
奇妙なこともあります。事件のキーとなる「亀」この家で飼っていたペットの亀の名はガバメント。亀に政府ですか。

【読んだ】阿部恭子氏「息子が人を殺しました」
内容はプライバシーに配慮しすぎたのか極薄と言わざるを得ないが、犯罪の加害者家族への支援というNPO活動は必要なのかなと思います。賛否ありそうですけどね。
個人的に加害者家族は振込め詐欺に引っかかりやすいという一文に納得。一度あるからね。

【読んだ!】佐藤健太郎氏「医薬品クライシス」
さすが元創薬研究者、と言った語り口の面白い本。だが危ないことは書いてない。
新書なので科学知識なしで読めます。その分、論旨は分散したかなという印象。読む価値は充分にあり!
実は私、出て来た製薬会社の一社に潜り込んでいたことがあります。

2020-05-13
【読んだ!】耕治人先生「天井から降る哀しい音」他
感傷的だが、必要以上に良くも悪くも書かない素晴らしい作家。私小説はかくありたい。
が、いち生活者と考えると感傷や文章力は役に立たない。彼の戦力外っぷりが、身につまされる。
ところでTシャツの上下ってなんでしょう。スウェットのこと?

【読めない】ある芸能人の介護本
苦労されたことは、分かります。でもね、下々の我々はあなたのようなカネもコネも美貌も知性もなく、
這いつくばって生きてます。
率直に腹が立ったので半分しか読めませんでした。僻んですみません。鬱で苦しいのに「抗うつ剤に頼らない」のは強さではありません。

一応、最後まで読切りました。
少々セレブ意識が鼻につきますが# この方にとっては「それが普通」でしょうから、怒るのも大人げないですね。
介護は誰にとっても大変です。お疲れ様です。
最後にある大物芸能人が登場しました。「あなたはもう持っているじゃないの」
足るを知れ。貧民からは以上。

【読んだ】土本亜理子氏「『花の谷』の人びと」
房総半島にあるホスピスのレポート。友を看取るように、という理念のもと、熱意ある女医を中心に多くの共鳴者が作り上げた終の棲家。
あまりにもいい話しか書かれていないが、嘘ではないと信じる。だが、こんな花はめったに咲かないだろう。

2020-05-14
【読んだ!】山崎永幸氏「共犯者」
愛犬家殺人事件の共犯者の作という体で出版されていますが、おそらく執筆は別人でしょう。
詳細は事実に近そうだと思います。グロ苦手な方にはおすすめしません。
俺みたいな奴は他にいないと豪語する主犯。さて、どうでしょうね? 本当にいないならもう安心ですが?

2020-05-15
【読んだ!】ウッド他「ロールシャッハテストはまちがっている」
皮肉を超えてしばしば挑発的だが、米国ロ試験の歴史に詳しい。ロ試験とは何なのか。科学か、卦か。
心理試験として優れている点も確かにあると私は思う。正解が分からないということ。受験者にもそれから、熟練の検査士にも、だ。

2020-05-16
【読んだ!】「菜根譚」
諸子百家などに比べて思想的に先鋭とは思えませんが、あまりにも美しい言葉で綴られている。
読みどころは経営論や後進育成論なのかもしれません。目まぐるしく変わる時流を読むのもいいですが、時にはこんな滋味も味わっていただきたい。
中国古典の中では読みやすいはず!

【読んだ!】橋爪大三郎先生「はじめての構造主義」
中学生にも(!)わかる構造主義。確かに読みやすく、人生ではじめてソシュールが何を言おうとした「と著者が考えている」か理解できた!
レヴィストロース面白そう。読みたい本がめっちゃ増えた。問題はそっちが理解できるかということでして。

2020-05-17
【読んだ!】渡辺正峰氏「脳の意識機械の意識」
ところどころ難しいが、科学者が普通の日本語で研究を解説した労作!
心理学(主観)と脳科学(機構)がようやく今、手を結ぼうとしている。面白い時代になりましたね!
科学がこころを解剖する。その時文学はどんな風に再評価されるでしょうね!

2020-05-21
【読んだ…】新物理学ライブラリ「物理学」
私がバカだからかもしれませんが、なんかこれ、ところどころ知ってる話に読めました。
仏教の中観とかなんかその辺なんだけど……^p^
なワケねーからww とも思いますが分からなさはだいたい一緒でした!
つうわけで明日からチャート式数学を始めます!

2020-05-22
【読んだ!】Dカリン「コロンバイン銃乱射事件の真実」
十年に渡る詳細で綿密な取材。米探偵作家クラブ賞受賞作。
おそらくですがこの事件はいじめられっ子の反逆、ではないですね。ただこの本にも疑問点は有。
「オレの動機を観客のほとんどは理解すらしないだろう」犯人の日記より。ザッツライト。

【読んだ!】久能靖氏「『よど号』事件122時間の真実」
日本初のハイジャック。日本ばかりか他国に多大な迷惑をかけて北朝鮮へ行った理由は結局憧れだけなのか。
急に来られた北朝鮮も困惑した様子。
解決までの経緯と言い世界的に例のない珍妙な事件。
機長はその後色々あって漬物屋に転職。へぇ!

2020-05-23
【読んだ!】NHK取材班「暴走するネット広告」
勉強になった! ちょっとアレなサイトとか行くと勝手に窓開いて謎のアンテナサイトに飛ばされたりしません?
あれ、飛ばし広告のPV稼ぎだったんだって……!
私テクノロジー疎い老人だから何も知らなかったwwww
漫☆村についても言及。取材班は有能。

2020-05-24
【読んだ】ブラウン「コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー」
犯人らの友人が「真実を明らかに」する為執筆。彼自身の言葉で等身大に彼の考えを語っている。
が。本当に申し訳ないが、内容に反して率直に退屈。
彼は犯人らを「頭のいいイジメられっ子」と捉えているらしい。そして、解釈は無限。

【読んだ】モリスン「青い眼がほしい」
内容は原題のThe Bluest Eyeの方が読み取りやすい。単数で書かれているのが恐ろしい。
黒人の少女の「生きづらさ」……なのかなあ。難しいと思うのは、きっと私が「青い眼がほしい」と思ったことがないから。共感しないから面白いことだってあるだろう。

【読んだ!】落合恵子先生「決定版母に歌う子守唄」
なんと爽やかな悲しみだろうか。母一人娘一人、七年に及ぶ介護をさらりとしたためた。
この母娘には介護は(そら色々あるでしょうが)最後の蜜月だったのでしょう。娘さんは高名な男性の婚外子。愛情には愛情が返る。こだまでしょうか、いいえ…。

【読んだ!】鷲田清一氏「『聴く』ことの力」
臨床哲学とはなんぞや。一般に読みやすい言葉で易しく語られる論。
へえ現代哲学は、こんなことを考えているのか。ひとつ聴いてみようかという気になった。
文庫巻末の解説が高橋源一郎先生。恐れ多くも私と同じ箇所を気に留めてらして、にっこり。

2020-05-25
【読んだ!】久坂部羊先生「廃用身」
表題はおそらく造語だがリアル。構成が凝っていて作中に現役医師による一般向けの著書がそのまま収録されるのだが、それがまたよく出来ている。
わざと音程を外している歌手
みたいに「それっぽい」! 老人医療問題に鋭く切り込むメス。人によってはNGかも。

【読んだ】NHKスペシャル取材班「老後破産」
「老後の沙汰も金次第」案件を選んで集めた。
(死別含む)独居老人が大病を患うと、詰む。子供がいても遠方で就職したり、逆に子供が無職だと、詰む。徐々に弱って、詰む。
当然のことだが、老人達が「なぜこんなことに」と言うのが怖い。詰んだ国。

2020-05-26
【読んだ…】島尾敏雄先生「死の棘」
感情的に密です! 読み苦しさを含めて優れた作品。
この時代の妻の立場の弱さがよく分かる。現代ならば第一章で離婚して終了だろう。S夫妻の周囲の人物には同情する。特に子供への影響は計り知れない。
だが奥様、小説家に「嘘をつくな」はどだい無理ですよ。

2020-05-27
【読んだ】稲葉圭昭氏「恥さらし」
北海道警の例の刑事。ご本人が全て執筆したかは不明だがさらりと読める仕上がり。
だが一番知りたいことは、書いてない。道警の裏金の使途な。
知らないのか言えないのかは不明。この人の妙な純真が引っかかる。人はここまで組織に飼われるものか。ある意味感動。

【読んだ!】山口恵以子先生「毒母ですが、なにか」
いえ何も^ ^
面白かった! お受験話はリアリティ抜群で、読み応え◎。全体的にコメディ調なので、楽しく読めました。
ただある重要な人物の扱いについて疑問が。もうひと仕事あったんじゃないかと思いますが……やりすぎるとファウルなのかな。

【読んだ!】レヴィ=ストロース「悲しき熱帯」
訳がなのか本文がなのか分からないが非常に文学的に読めた。その読み方でよいかも分からないが、面白い。
世界の名著シリーズで読んだが、どうも抜粋版のようなので、全編を読みたい。
今読むのは時代遅れのような気がしないでもないが……推せる!

2020-05-28
【読んだ…】梯久美子氏「狂うひと」
「死の棘」の裏話。てっきり私小説と思って読んだあの本は、ほぼ実話だった模様。
本編に負けず劣らずめんめんと綴られる、夫婦の記録に圧倒される。
が。結局のところ浮気したとかしないの話なので、ゲンナリします。お似合いのご夫婦かと思いますが。#結論なし

【再読】多島斗志之先生「症例A」
20年も前の精神医療モノ。当時流行っていたサイコモノとは一線を画す豊富な医療知識と見識。
だがその分映像映えする大事件も、あっと驚く結末も、感涙のハッピーエンドも用意されていない。
バランスは難しいが労作には間違いない。一切無駄のない文体に注目。

【読んだ】NHK取材班「なぜ、わが子を棄てるのか」
幼児期に赤ちゃんポストに預けられた記憶を持つ少年が言う。「ポストに入れてくれてありがとう」いい里親に出会えたし、命が助かったから。
いい家庭で育っていると確信するが、少年よ、もっとわがままになっていい。君にはその権利がある。#つらい

2020-05-29
【読んだ】鈴木智彦氏「全員死刑」
死刑囚の次男(事件当時20)の獄中手記に鈴木氏が詳細補記した。映画原作本。
映画と同じく軽いノリで重ねられる犯行。恐ろしいというか、どうも理屈がズレている。
直しが入っていることを考えても文章はマズくはないが、何の深みもない。文学は実体験に勝てる。

【読んだ】ケイセン「思春期病棟の少女たち」
17歳のカルテの原作本。映画でも気づいてたけど、主人公は17歳ではありません。
著者に境界例との診断がついているが、この本を読んでも「こんなもんか?」という程度に正常に「みえる」。
病人には病識がない。ということは、私も…? 表現力が多彩。

【読んだ!】マリノフスキ「西太平洋の遠洋航海者」
パプアニューギニアにおける長期フィールドワークによって内部から考察された有名な論文。
「クラ」という島間交易を中心に社会の仕組みを論じる手腕が見事。結局のところは分析なので、論として楽しく読むに留める。
パプアに親近感を覚えた。

2020-05-30
【読んだ】秋竹サラダ先生「祭火小夜の後悔」
日本ホラー大賞の大賞と読者賞を独占した歴史的作品!
なるほど手堅いですね。文章は読みやすく前半オムニバス、後半に中編という構成も若い人向き。
退魔系でロジカルなので、謎解き要素もあり。
1クールアニメにできそうな即戦力。怖くはないです。

【読んだ】「死なないで!殺さないで!生きよう!」
なんかすごいタイトルですが社団法人 認知症の人と家族の会という会員数一万人以上の真面目な会の出版した本です。
各県に支部を持ち電話相談もしているそうです。
皆はもっと頑張っている。私はまだまだ、などと思ったら曲がり角。無理は禁物。

【読んだ!】福士俊哉先生「黒いピラミッド」
日本ホラー大賞受賞作。
面白い! 中学生の頃は私もピラミッドマニアでしたね。ムー系ですけど。あっさりと読みやすい文章だが、衒学部分は濃い。著者は専門職とのこと。流石です! 申し分ないが一般受けはどうだろう。
装幀が素敵。怖くはない。

2020-05-31
【読んだ】ルール「テッド・バンディ 上」
事件前から彼を知る犯罪ジャーナリストの著作。
だが書いてある内容は全然ショッキングでもセンセーショナルでもない。
というのも。彼はシリアルキラーとしてはかなり特殊なタイプだからなんですが。
とりあえず上巻は状況証拠のみ。下も読んでみます。

【読んだ】ルール「テッド・バンディ 下」
物証はあるが、もしこれが小説なら「ロジックが甘い」と言われるだろう。
著者はできる限りフラットに記述したと思うし、分析も極めて真相に近そうだ。
合「州」国だからこそ起きた難事件。型にはまらない犯人はプロファイルできない。
関係者に祈りを。

【読んだ】御木達哉医師「うつ病の妻と共に」
内科医師の奥様がうつ病に。二人三脚で闘病する手記。
読みながら「いやこれうつ病じゃないだろ」と思ったが後日談でやはり躁うつ病(双極性障害)とのこと。素人目にもその方が妥当なように思えました。
大変そうなんですが、夫が超優しい。お大事に。

【読んだ】佐藤雅彦氏「認知症になった私が伝えたいこと」
若年性アルツ歴十年の「独居」患者のメッセージ。
携帯やパソコンを駆使して(著者は数学科卒の元SEです)好きなように生きる工夫が満載。忘れっぽい健常者にも使えるテク。
認知症、なにもできないなんてとんでもない! 前向きな一冊。

2020-06-01
【読んだ…】某新人賞優秀作品
誰もが知る実際の事件をモチーフにネットの闇を描いた。が、実際の事件の方がより深く普遍的問題を投げかけていたように思う。
これを読んだあの事件の被害者はどう思うでしょうね?
文章は上手ですが、無関係者が「作り事として」書くべき内容ですか? 自戒します。

【読んだ!】秋川リサ氏「母の日記」
派手に生きてきたママが認知症に! プライドが高くて全然言うこと聞かないし、犬の散歩のつもりですぐ徘徊! そんな中、ママの日記帳には「産まなければよかった」だと……?
正直な気持ちの書かれた素敵な介護本。娘さんや犬が明るく賢い。いい家族ですね!

【読んだ】ペリー「テッド・バンディの帰還」
蘇っちゃいけない殺人鬼が帰還してしまった?! 全米を震撼させたあの事件に似た手口……犯人はヤツなのかそれとも模倣犯か!
といったノリだが、かなりの描写が反抗期の娘に費やされ、最後の方マクっちゃったか。
好きなドラマのシナリオの方だった。

【読んだ!】佐藤光展氏「精神医療ダークサイド」
残念ながら、この惨状は事実に基づいたレポートと読めます。事実、精神医療に限らず医療には「誤診・医療ミス・事故」はつきもの。
でも現代医学で治療できる病が放置で手遅れになるのもまた、事実です。
やたら薬を出す医師には気をつけましょう。

2020-06-02
【読んだ!】松本清張先生「ゼロの焦点」
熟練の人間ドラマ。見合結婚早々に失踪した夫は「何者か」という推理モノ。
急いてない堂々とした書きぶりが流石。
しかしこの妻異常にカンが鋭い。叙述系で妻が犯人だと思い込んで読んでしまった;^ ^
トリックは創作ですが殺害方法は実際にありましたね!

2020-06-03
【再読】首藤瓜於先生「脳男」
人の脳の大部分は生涯未使用という説があります。それを開花させるとどうなるか? という答えの一つを示した傑作!
セリフや展開に過不足がなく、本当に面白い。
舞台は愛宕市なんですが、おたぎとルビ振。ひょっとして架空都市なんですかね? 納得の乱歩賞受賞!

【読んだ!】額賀澪先生「屋上のウインドノーツ」
爽やか青春小説。構成文章に隙がなく、まとまっている。
新人賞では敬遠される多視点ものだが、二人の名前に共通の文字が意図を感じさせる。
清張賞の「エンタメならジャンル不問」は本当だが、今後同路線で受賞は難易度が高いと見た方がよさそう。

【読んだ】阿野冠先生「花丸リンネの推理」
若さと勢い溢れる一冊。著者は三年連続! で清張賞最終候補というツワモノ。まだ若くて有名大を卒業したばかり。この作品は高校生のときに書いたものらしい。
将来性に期待して応援……と思ったけどサラブレッドで元ジャニーズの イケメン らしいので中立!

【読んだ】深沢七郎先生「楢山節考」
文庫で四作収録。表題作が突出してよいと感じた。
淡々と当たり前のように描写される老婆の理屈が、妙になまなましくてよい。なお、完全な創作ということで、作中の子守唄だのお囃子に曲も作っておられる。
著者はレコードも出しているギタリスト。なるほど!

2020-06-04
【再読】湊かなえ先生「告白」
小説推理新人賞、言わずと知れたベストセラー! 何度読んでも素晴らしい!
文章が素敵なだけでなく、一人ひとりの人間に血が通っているのが分かりますね。
流石イヤミスの女王というこのお話、真っ先に面白いと思ってしまう自分の人間性をよく反省したいところです。

【読んだ?】新人賞受賞時代小説
文章はとてもいいのに、全然頭に入って来ない。
時代物なんですが言葉のチョイスが現代風。例えると将軍様の御成~と言って出てきた俳優が
岡 田 真 澄 様
みたいな違和感がある。上手でイケメンなんですが、なんかザワザワする。私の感覚が古いのかも。スミマセンorz

【読んだ!】岩木一麻先生「がん消滅の罠」
流石このミス大賞! この方にしか書けない一級品です。発想が豊かでリアリティがあり、専門用語が満載だが素人に充分理解できる書きぶり。
天才か……!
重箱の隅を突けばラストがハシっていると思います。こんなの書けない負け犬の遠吠えです。満足!

2020-06-05
【読んだ!】横山秀夫先生「陰の季節」
このレベルが「書ければ」清張賞が確実に獲れます。
おそらくこの年の選考に携わった全員が大物作家の誕生を確信したでしょう。面白いとか巧いというレベルを超えている。
圧倒的にコントロールされている。文句のつけようも、ございません……。白旗!

【読んだ】クリステヴァ/クレマン「母の根源を求めて」
二人の女性学者が女性について語り尽くす往復書簡!
あまりに博識で議論についていけないが枠だけ拾うと、極めて衒学的に両名が自論を述べているに過ぎないのでは。
お互い定義・目的・結論といったことに注意を払わないのが逆に興味深い。

2020-06-07
【読んだ!】佐藤究先生「QJKJQ」
純文学ですね! それもその筈、老舗純文学受賞作家の変名でした。でもその経歴で受賞したのではないことが選考委員の先生の評でよくわかります。純文とエンタメはここまで近接した!
喜ばしいですね。この本が好きな方は、ぜひ最近の純文学を読んでください!

【読んだ】斉藤詠一先生「到達不能極」
乱歩賞。設定が個性的。大変な専門知識をお持ちかと推察。文章力が卓越しておられるが、後半は書き急がれたのだろうか。
思うところはありますが、エンタメの長編で新人賞を狙う方は必読。僭越ながら、選考委員の貫井先生のご意見が私の感想に近うございます。

【読んだ!】下村敦史先生「闇に香る嘘」
これは素晴らしい! いかにもミステリ系ですね。文章もミステリらしさと陰鬱な雰囲気がマッチして、世界観が濃密。
長い投稿歴の末、乱歩賞受賞とのこと。本当におめでとうございます! トリック以外の部分にも読ませどころがあり、作家の格を感じます!

【読んだ】澤村伊智先生「ぼぎわんが、来る」
日本ホラー小説大賞。
もの凄く文章が読みやすい。最近のホラー小説ってなんか、ネチネチしてないですね。展開もスピーディで謎解き要素もあり、爽快感まで、ある。
新しい時代のホラーなんだと考えます。私は怖いと思いませんが、滅茶苦茶お上手です。

【読んだ】乱歩賞受賞作
率直に言ってあまりよくなかったように思う。選評ではっきり「推せない」とおっしゃる選考委員の先生がおられた。
文章が読みやすく、物語に破綻がなく、キャラクターがあるだけでは足りない。それだけレベルの高い賞ということです。
社会問題やるなら勉強しないと(自戒)

【読んだ!】玖村まゆみ先生「完盗オンサイト」
一気読み! 発想・題材の勝利。前半の話の転がし方はTVドラマのように巧み。後半は急展開に見えた。原稿枚数に対して、盛り付けすぎたのでは。
でもこんなお話思いつく方なかなかいませんし、文章が素敵なので楽しく拝読いたしました! 乱歩賞

【読んだ】川瀬七緒先生「よろずのことに気をつけよ」
この素材はマニアが多いので難しいです。疑問もありますが創作としては面白いので問題なし!
選考委員の先生のおっしゃる通り、人物がしゃべりすぎで聞き疲れしました。これは私の課題でもある筈。勉強になります。ありがとうございました!

【再読】高野和明先生「13階段」
この小説を最初に読んだ時、既に私も作家を志していました。そして、乱歩賞他ビッグタイトルへの投稿を完全に断念いたしました。
時は流れ、今、私は初挑戦しようと思っています。
遥かなる高み、これが新人賞というもの。目を背けられない美しい作品です。感謝を。

というわけで、前半は事件関係のノンフィクション本、後半は新人賞関係の受賞作を読んだようですね。

しばらくは読書はお休みに入ります。そろそろ自分の執筆に入らなければ、間に合いませんToT 今年の夏はエンタメの長編小説に挑戦しようと思ってます! いやはや、どうなりますやら。

皆さんも、暑さ対策には気をつけて、楽しく健やかな日々を過ごされてくださいね! それではまた、どこかで。

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