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テレビをみないという「革命運動」

東京オリンピックが終わった。インターネットニュースとして流れてくるものが目に入ったくらいで、きちんと見ることは皆無だった。以前このnoteでも書いたように、道義的にオリンピック開催に反対して、積極的に見なかった、というのが一番の理由である。


もうひとつ、重要な理由がある。

我が家にはそもそもテレビ受像機がないのだ。テレビ受像機がなければテレビ番組は見ようがない。

そして、オリンピックコンテンツとして競技を生放送していたインターネットメディアは、(僕の知る限り)皆無であった。本当になかったのか、気になって(今さらだが)調べてみた。

オリンピック公式競技動画配信サイト「gorin.jp」、民放公式テレビポータル「TVer」、NHKの配信サービス「NHKプラス」の3つで、公式の生放送をしていたらしい。gorin.jpは民放各局による配信サイトなので、NHKと民放の「地上波テレビ局」が日本での放送権を独占していて、おそらくYouTubeなどのメディアでは生配信はなかったのだろう。それにしても、gorin.jpのトップページの気持ち悪いこと。プロパガンダとはこのことを言うのだろう。目に毒なことこの上ない。


この記事では、家にテレビ受像機がなく、東京オリンピック中継を1㎜も見なかった僕が、僕なりの2021年8月現在の「テレビ事情」について調べ、書いてみることにする。


テレビが無い世帯はどのくらいあるのか?

こちらの記事によると、内閣府の消費動向調査では、直近2021年の全般的なカラーテレビの世帯普及率は、単身世帯では87.5%、二人以上世帯は96.2%。かなり多い、と感じられるがどうだろう。僕は単身世帯でテレビ受像機を持っていないので、12.5%の中のひとりである。かなりのマイノリティと言える。

テレビ受像機ではテレビ番組しか見られない?

「電通報」なるサイトを発見した。まあ名前からしておそらく電通絡みの運営なのだろう。で、こちらの記事によると、2020年6月調べで、動画配信サービスの視聴デバイスは、テレビは23%。ようするに、4人に1人はテレビ受像機でインターネット動画配信を見ている、ということだろう。そして、テレビ受像機のインターネット接続率は、同じ記事によると、2020年6月調べで、50.7%。家庭に普及しているテレビ受像機の半分は、インターネットに接続されているということになる。

どのデータの数字も、僕が予想していたものより大きい。まあ、せっかく持っているテレビ受像機なのだから、有効活用しなければ、ということなのだろうか。そして同記事によれば、リビングで、誰かと一緒に動画配信を見ている人が増えているらしい。僕はひとり暮らしだから縁のない話だが、家族団らんの様相が変わってきているということだろう。

若者のテレビ離れは本当か?

これはさすがに論をまたない。僕よりよっぽどすぐれたライターが、若者のテレビ離れについて書いている。たとえばこの記事とかこの記事とか。興味のある人はリンクから飛んでみてほしい。「若者のテレビ離れ」で検索してみるのもいい。説得力のある数字が並んでいる。

結論めいたことを言えば、「10代20代の半数はテレビを見ない」。僕なんかは「何をいまさら」という感想なのだが、テレビの恩恵にどっぷりつかっていた業界などは、きちんとしたデータを示されて、激震が走っているとか。おそらくキチンと現実を見てこなかったツケが回ってきたのだろう、と、意地悪なことを書いておく。

巨額の制作費と宣伝広告費

こちらの記事こちらの記事が参考になるだろうか。わかりやすい記事があまりなかったのが残念だが、だいたいわかることといえば、民放の広告費と制作費はコロナ禍で減っている、ということ。ただ、若者のテレビ離れとの相関関係はわからない。おそらく関係があるのではないか、というのは憶測に過ぎない。

そしてNHKについてだが、おもわしい記事がない。アンタッチャブルなのだろうか?参考にしたのはこちらの記事。広報局によれば、「個別の番組単価は、編集権に深くかかわるものであり、原則として公表していません。」とのこと。「編集権」とはなんぞや?そんな権利、初めて聞いた。まあ、言えることは、NHKのテレビ番組の制作費はあまり変わっていなさそうなこと、受信料が主な収入源だから、まあそれも当たり前なのだろう。

いずれにせよ、テレビ業界というのは巨額の金が動く巨大産業である、ということに変わりはない。だが、特に民放は、視聴者数のテレビ離れを恐れているようだ。NHKも、視聴者が減っても安泰だ、とは思っていないだろう。

テレビを見ないことが「革命運動」

そして、特に民放に対して効果てきめんだと思うのだが、テレビ番組を見ないことが「革命運動」として成り立つ。

視聴者の減少→広告効果の減少→広告費の減少→番組制作費の減少

という図式が成り立つからだ。そして番組制作費が減少すれば、番組の質が劣化し、さらに視聴者数が減少する、という負のスパイラルに陥れることができる。すでにこの悪循環におちいっているのかもしれない。オリンピックスポンサーの不買運動が一部では行われたらしいが、それよりも「テレビを見ない運動」のほうが手軽だし効果は大きいように思われるが、いかがだろうか。

NHKについては、「受信料不払い運動」というのは成立しないようなのでややこしい。テレビ受信機を廃棄する必要がある。スマホにワンセグ機能があるだけで、受信料支払い義務が生じる、という最高裁判決もある。スマホ選びにも慎重になる必要がある。

ちなみに僕は、NHKの受信料を払っていない。テレビは持っていないが、スマホにはワンセグ機能がついている。だが、生活保護世帯はNHKの受信料が免除されるのだ。いやはや、NHKの呪縛から逃れるのは大変なことだ。


ということで、僕の言いたいこととしては次のようになる。オリンピックでのテレビ報道に辟易した、既得権益を打破したい、既存のシステムを打ち壊したい、というような人に、「テレビを見ない運動」を強くお勧めしたい。

テレビ番組を見なくても代わりの娯楽はいくらでもある。情報はインターネットでいくらでも手に入る。そんな時代だからこそ、そしてテレビを全く見ない生活を送っている僕だから言える、簡単で画期的な「革命運動」、是非ご参加あれ。


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