新刊「陰陽屋きつね夜話」こぼれ話(3)キツネ取材日記
4月6日に発売された新刊「よろず占い処 陰陽屋きつね夜話」の巻末に収録されているのが「キツネ取材日記 大学生編」です。
これまで機会があるごとにちょくちょく書いてきた「キツネ取材日記」。
一覧にまとめてみるとこうなりました。
(1)単行本「陰陽屋へようこそ」(2007年)
月刊誌「asta*」の連載原稿をまとめて単行本として刊行していただくことになった時、おまけで書き下ろした短編が「番外編 キツネ取材日記」でした。
内容は番外編の定番、委員長と瞬太の出会い編です。
これはそのまま文庫「よろず占い処 陰陽屋へようこそ」にも収録され、のちに岩崎美奈子さんがとても愉快な漫画にしてくださっています。
朗読イベント「よろず占い処 陰陽屋へようこそ 春の狐まつり」の台本では、地の文を台詞におこすなど、若干の手直しをしました。
(2)「タマの猫又相談所 逆襲の茶道部」の全プレ(2015年)
応募者全員プレゼント(略して全プレ)で小冊子「陰陽屋特製☆平成二七年六壬占い」を作成した時に、これまたおまけで書き下ろした短編小説が「キツネ取材日記 その2」でした。
というわけで、暦と小冊子にからめた内容となっています。
同じく「陰陽屋春の狐まつり」の朗読台本では、地の文を台詞におこすなどの手直しをしました。
(2.5)「よろず占い処 陰陽屋百ものがたり」(2019年)
陰陽屋シリーズ初のスピンオフ短編集「陰陽屋百ものがたり」の中の1本として書いたのが「キツネ取材日記番外編 プロジェクトB」です。
内容は「よろず占い処 秋の狐まつり」の文化祭の顛末を、委員長目線で追い直した高坂の奮闘記になっています(なので番外編です)。
第1稿では数ページの短編だったのですが、編集者さんから「もう少しふくらませてほしい」というリクエストがあったので、あちこち書き足していったら「キツネ取材日記」では最長の作品となりました。
(3)リーディングシアター「よろず占い処 陰陽屋琥珀の瞳」(2021年)
ちょっとややこしいですが、陰陽屋13巻「よろず占い処 陰陽屋と琥珀の瞳」(2020年)の刊行翌春に開催された同タイトルの朗読イベントのために書き下ろした台本2本のうちのひとつ「狐の行列」です。
タイトルは「キツネ取材日記その3」にしてもよかったのですが、もう1本が「狐の花見」だったし、ちょうどみんなで「王子狐の行列」に参加する夜の話だったので、「狐の行列」にしました。
(4)「マリカと魔法の猫ボンボン2 錬金術師の塔の秘密」ブックス王子限定SS(2021年)
B4用紙の片面に「マリカと魔法の猫ボンボン スペシャルエピローグ」を、もう片面に「予告編としてのキツネ取材日記」が入る形にしました。
内容はタイトル通り、13巻「陰陽屋と琥珀の瞳」のラストシーンと14巻「陰陽屋桜舞う」をつなぐものとなっています。
これも後日、若干の手直しをして朗読イベント「陰陽屋春らんまん」の台本「キツネ取材日記その4」となりました。
(5)「よろず占い処 陰陽屋きつね夜話」(2023年)
ようやくたどりつきましたね!
「キツネ取材日記 大学生編」です。
正直、もう4だか5だか私もよくわからなくなってきたので、「大学生編」にしました。
本編完結後の高坂と瞬太の日常をちょっとだけ書いています。
さて、番外編もいれると全部で6つもある「キツネ取材日記」ですが、けっこう文庫未収録のものが多いことが判明しました。
特に「キツネ取材日記その4」はもともとがブックス王子限定SSで、「陰陽屋春らんまん」の朗読台本も会場販売のみだったので、未読の方も多いかもしれません。
今のところ7本目の「キツネ取材日記」の予定はないのですが、いつかまた突然書きたくなるかも?
たまには春記さんの「キツネ研究日記」もいいかもしれませんね。
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