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セナのCA見聞録 Vol.8 First Flight New York 後編

私にとっては生まれて初めてのニューヨークでした。

なので、翌日は張り切って観光!

午前中はエンパイヤーステイトビルディングへ上って、展望台から景色を一望し、中華街で昼食を食べた後、午後はソーホーエリアをひたすら歩き回りました。

太陽の光を日中たくさん浴びて、よく動けば夜はぐっすり眠れると思ったからです。ところが、夜になり明日に備えてぐっすり眠ろうとしても、目がぎんぎんに冴えてさっぱり眠れません。昨日は初めてのフライトで緊張しながら徹夜で仕事をし、今日はがんがん歩き回って、明日はまた成田まで約1日かけて飛ばなければいけないというのに、全然眠れないのです。

「眠りたい、眠らなくちゃ。」とあせればあせるほど目が冴えました。ベッドの上で寝返りばかりをうち、12時、2時、3時とどんどん時間だけが過ぎていきました。朝8時半にはロビーに集合することになっています。遅くとも7時には起きなければなりません。朝4時を過ぎた頃だでしょうか。ようやく眠りに落ち、3時間も眠らないうちに、目覚ましがなりました。

帰りのフライトはファーストクラスを担当することになりました。

ファーストクラスはエコノミークラスとサービスの内容が全く違うので、また一からやり直すのと同じ。ドリンク類はその種類によってグラスが違います(シャンパングラス、ワイングラス、カクテルグラス、リキュアーグラスなど)。食事は高級レストランと同じように、白くパリッの糊のきいたナプキンをテーブルにしいて召し上がっていただきます。

シャンペンはドン・ペリニヨン、ウイスキーはシングルモルツやブルーレベルのジョニーウォーカー、赤ワインは〇〇、白ワインはX X、日本酒は△△、とまたしてもしっかり覚えなくてはならないお酒類が待っていました。

ファーストクラスのフルコースサービスは、食事全体を終えるのに最初のオーブンで暖められたピーナッツから最後の食後酒まではゆうに二時間半以上かかるとても長ーいサービスです。

ところで、アペタイザー(前菜)に出されるものの一つにキャビアがありました。今となっては幻のチョウザメの卵、キャビアとなってしまいましたが、当時はファーストクラスにのみ出される贅沢品、高級品として定番でした。

ファーストクラス専用のシルバーのクィーンカートの上にセットされる機内食としてのキャビアは、以下のようにセットされました。

まず、小さな缶詰に入ったこキャビアを、氷で出来ているようなな円い透明ガラスの器に入れかえ、キャビアをすくう超極小スプーンを脇に置きます。そしてキャビアを囲むように白いラムカンに入った各種添え物(ゆで卵の黄身を裏ごししたもの、卵の白身のみじん切り、たまねぎのみじん切、パセリ、レモンスライス)を色とりどりに見栄え良く並べます。トーストはシルバーボールに数枚もられます。

対で飲むドリンクはギンギンに冷やされたアブソルートウォッカ。これはボトルごとドライアイスの入ったシルバーのワインクーラーに入れられ、キャビアのすぐ後ろに置きます。ワインクーラーにはドライアイスを入れるのですが、ドライアイスは溶け出すと空気中にシューっと白い煙をだすので、キャビアを運ぶクィーンカートが通路へ出ると、それだけで相当豪華な雰囲気が漂います。

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