見出し画像

おばあちゃんのおひざもと 第9話 おじいちゃんの唯一の希望

「『しっかりと日本で教育を受けた女性がいいです』っていうのがおじいちゃんの唯一の結婚の条件っていうか、奥さんになる人への希望だったんだって。独身だったおじいちゃんのお嫁さん探しで、私の親のところに結婚話がきたんだね。その頃、おばあちゃんは女学校を卒業して、アメリカに呼び寄せられて戻って来て、親元で家事手伝いしながら暮らしてたから。何でもおじいちゃんは「アメリカ育ちの日本人の女性は苦手です」ってはっきり言ったっていうから。あそこではね、日本育ちっていうだけで、お嫁さんに欲しいと望む日本人の男性が結構多かったんだよ。私は日本の学校に通わされたもんだからね、親が勝手に縁談話を進めちゃって、あれよあれよという間に結婚することになっちゃった。結婚式直前までちゃんとおじいちゃんには会ったことなかったんだよ。信じられないでしょう。「あー、私この人と結婚するんだあ」って。。。ちょっと他人事みたいに思ってた。結婚式はアメリカだったから白無垢や色打掛けじゃなくって、ウェディングドレスだったんだよ」

*この本は第1話から46話まで、順番に各章の最初の頭文字一音をつなげていくと、あるメッセージ明らかになります。さてさて、どんなメッセージでしょうか。お楽しみに ☺️

ここから先は

0字
隠されたメッセージ。いろはかるたの小説版。最初から最後の章まで、各章の頭文字を書き出していくと、最後にこの本の核心が明らかになります。かるた同様、お遊び感覚でも楽しめる本です。

大正3年、1914年にアメリカに生を受け、22歳までに3度も船で太平洋を横断し日本とアメリカを行き来したおばあちゃん。ロサンゼルスの大都会…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?