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セナのCA見聞録 Vol.28 上海でのヒヤッとした体験 後編

ようやく鍵が開けられ中へ進むと、昨夜の到着時と同様、また入国管理局で係員により全員のパスポートが取り集めてられ、入国手続きが行われました。

それから外でホテルからの送迎バスの到着を待つことさらに一時間。

待って待って、待たされての一日でした。

バスを待つ間、30年近い乗務経験のある先輩CAから、昔起こった様々な飛行機事故の話を聞かされました。機体の屋根部分が剥がれて吹き飛び、その上更に自分の前の通路床が抜け落ちたという、身の毛のよだつような経験をしたCAと知り合いだそうで、彼女から直接聞いたという話を教えてもらい、血が引く思いがしました。

ゴーゴーと吹き込んでくる風に目をつむりながら、それでも両手をしっかり握り合って、このまま死んでしまうかもしれない非常事態の飛行機の中で、ただひたすら「I love you, I love you」と互いに叫びあっていたというビジネスクラスに座っていたアメリカ人ご夫婦のこと。

飛行機から飛ばされないように必死に通路の絨毯にしがみついて爪が血豆で真っ黒になったCAのこと。

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