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冬になると鹿たちは
初めての大雪の日に、私は裏庭で鹿が埋まっていくのを見て、鹿が死んでしまうと泣いた。
みながまだ暖かい部屋から離れられないでトランプをしている間に、雪で滑る鉄の階段を降り、鹿を救いに行った。
鹿は群れを成して裏庭に埋もれていたが、多くは雪の下にすっかり埋もれてしまってどこにいるのかわからなくなっていた。
その中の一頭はかろうじて鹿の形を残しており、私はかじかむ手とマフラーで雪をはらってやった。
そうすれば鹿は立ち上がってどこか雪の降らない場所へ逃げ延びることができるだろう。
翌朝、裏庭に雪が高く積もり、家に暮らす人々はとうとう冬がやってきたのを見た。
そして誰かが言ったのだ。
裏庭で雪が充分にかからずに死んでしまっている鹿が一頭いる、と。
かわいそうに、と人々は言った。
それは私が助けた鹿であった。
冬になると鹿たちは、深い雪の下に埋もれて、どうにか体温を保っていた。
その雪を私が払いのけたのだ。
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