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自己癒し力

仕事のこと、家庭のこと、将来のことを考えなければならない状況に否応なく身を置くことになり、肉体的にも精神的にもさすがに疲れてきている人は多いように思う。

出口が見えないこと。
経済的事情と倫理的規範が内面でせめぎ合うこと。
大手メディアが嬉々として報じる素人の無責任発言、根拠の乏しい推測。
主にネット上で展開される言葉による殴り合い。

「ストレスを溜めるな」という方が無理がある。
ご多分に漏れずぼく自身もいい加減ストレスが溜まり始めていて、案の定“過食”になっている。

ぼくの場合、ストレスが溜まると食べ過ぎる。
さらに今回の場合、ほぼ自炊での生活に切り替わるので厄介だ。
レシピというのはたいてい2人分、4人分が基本。
1人分に分量を調整して作れば良いのだが、『料理はある程度の量をまとめて作らないと美味しくならない教』の熱烈な信者であるぼくは「どうせ作るのなら作り置きをしよう」と多めに作る。
そしてついつい多く食べてしまう。

自分で言うのもなんだが、料理の腕は悪くはないと思う。
素人だから失敗もするし、無謀な実験もするし、興が乗らずに雑な調理で美味しくないこともあるが、基本的には食べたいものを食べたいときに作ってきたので美味しく作る探究心はそれなりに持っている。
しばしば実験品を “押しつけている” 叔母の感想も重要だ。
やはり作るからには「美味しい」と言わせたい。
なのでお母さんの料理はちゃんと「美味しい」と言いましょう!
作る人への感謝の言葉になりますよ。間違いなく。

さて、あくまでぼくのケースだが調理中は集中しているので、嫌なことや気にかかっていることを短い時間でも忘れることができる。
重要なストレス軽減の手段であることは否めない。
しかし、いくら料理が好きで気分転換になると言っても食べられる量には限度があるし料理だけでこの難局は乗り切れない。
そこで家で過ごす時間を料理以外でどう使うかと頭を捻らなければならない。

まず一番時間を投下していたのは読書だった。
「だった」と書くのは最近ペースが落ちているせいだ。
ぼくが読む本のジャンルは多岐に渡るが、昨年から医療情報についての本が増えている。
なので理解しながら読むのは時間がかかるしアタマが疲れる
まあアタマの性能の問題もあるので本のせいにはできないのだが、それでも立て続けに読むと新しい情報や思考が大量に流れ込んできて整理するのに時間がかかる。
たまにエッセイや小説を挟まないと読書自体が苦痛になってしまう
自分のアタマのパフォーマンスに合わせてバランスをとるのに四苦八苦している現状である。
それでも徐々に知識も積み重なってきたので、以前よりは楽に読める部分も増えてきたような気がする。
気がするだけなのか少しは成長しているのか判断のつかぬところではあるのだが。

もともとテレビをあまり見ないのでNetflixやhuluといった配信もそこそこ見ている。
ただ、なかなかハマる作品がないので以前見て面白かったものを再視聴していることが多いかもしれない。
個人的には英グラナダTV制作の『シャーロック・ホームズの冒険』(ジェレミー・ブレット主演)や『名探偵エルキュール・ポワロ』(デヴィッド・スーシェ主演)を延々と見たいのだが、残念ながらNetflixもhuluもラインナップには無い。
助かってはいるのだが、なかなか痒いところに手が届かないもどかしさはある。
あくまでぼくの好みが一般的ではないだけなのかもしれないが。

巷では『どうぶつの森』が流行っているようだが残念ながら Nintendo Switch を保有していない。
Wii も PS4 もほこりをかぶったままである。
ゲームは好きなのだが、始めると一日中ゲーム三昧になりそうなので籠城生活が始まってから意識的に遠ざけている。
実はやりたいのだけど。
今、一番やりたいのは 『Cities : Skylines』。
都市開発シミュレーションであり、有名な『Sim City』の進化版とも位置付けられるゲーム。
こいつがとにかく時間を忘れさせる。
気がつくと3〜4時間が溶けている
非常に困り物のゲームなのである。
でもあまりに自粛生活が長引くようだと、手を出してしまう気がする。
出すんだろうな、やっぱり。

と、ここまで書いてきて気がついた。
まるで仕事していないみたいじゃないか。
一応仕事もしてます
もともと水戸に出張しての対面仕事以外は電話やメールでのやりとりが主だったので、書籍やネットでの情報を吟味しクライアントが顧客へ提供できると思えるものについては随時共有している。
星の数ほどある情報から根拠が希薄だったり妙なベクトルがかかっているものを排除し、できる限り多くの人が正しいと判断しているものを加工せずに伝えることには注意を払って。
また、たとえぼくの考え方とは異なっていても複数の視点を持つようにするために知っておくべきだという判断から対立する主張についても伝えるようにしている。
まだまだ判明していないことが多く、何がベストなのかどころかベターすら明快でない以上偏った主張だけ追いかけるのは危険だ。
治療薬や予防薬、予防法が確立されるまで仕方がないだろう。

あとは YouTube で落語を聴いたり、Podcast を聴いたりというところか。
自分はインドア派だと思っているし間違い無いと思うのだけど、思ったよりも有意義に時間を過ごす手段を持っていないことが明確になったな。
家に籠る時間がこうまで長いと、とてもこの程度の選択肢では時間を持て余してしまうし飽きてしまう。
わりと屋内で自分を癒す手段を持っていないことに気がついてしまった
運動や模型作り、絵を描くことなんかも取り込んでいかないといけないのだろうな。
食わず嫌いの部分もあるのだろうし、これまで手を出してこなかったジャンルに挑戦してみるのも良いのだろう。

みなさんが新たにチャレンジしてみたことはなんですか?