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「僕のちんこにピアス開けてください」3

ー画像送信ー
「かわいいね、若い」
「ありがとうございます」
「じゃあお礼に私の姿も見せよう」
ー画像受信ー

 …美しい。どうして。こんなことが。

 いや、わかっていた、あなたが美しいことぐらい、文章を見ただけでわかる。でも違う。俺が想像できる美しい女性をはるかに超えていた。こんな美しい人、初めて見た。
 俺は今日この時の運命を知らずにここまで生きてきたけど、何か一つでも違っていればこの瞬間は訪れなかった。この時を迎えることを知っていたら、俺は一つも間違えずここに辿り着くように生きてこれるだろうか。一生後悔するような爆弾を抱えて、運命を間違えずに。
 泣きそうだ。

「美しすぎます」
「あら、ありがとう」
「僕、何でもします。紗季さんに会えるなら。紗季さんに壊して欲しい。僕を拘束して、紗季さんの好きなように壊して欲しいです。ちんこも今後一生使えないようにしてください。血を抜いて、とにかく痛くして欲しい。壊してください。紗季さんに。俺の全てを」

 もうだめだった。止められなかった。訪れてくれた運命を前に、どうしていいかわからなかった。
 今まで普通に人と付き合って、SEXさえ苦痛ではあったが、まともな彼氏ではあったと思う。同級生の女子に告白され嬉しかった。初めてチャリで二人乗りをした時、背中に触れた温もりが幸せというのだと思った。人生における恋愛という作業は、こんなものだと思ってた。

 でも俺は気づいてしまった。これが恋だ。今俺は恋をしている。
こんなにもちぎれそうな心臓、握りつぶして欲しい願望、あなたによって終わらせて欲しいと思う気持ち。人生とはこんなにも濃く、色鮮やかなものだったのだ。

「怖いなー君は。破滅的な願望だね。高校生ってのはこんな素敵な言葉が使えるものかね」
「みんながそうじゃないと思います。壊してくれますか?」
「そうか、これは君の感性か、失礼」
「壊してください」
「わかったから、二十歳になったら改めてお願いしてみて。何を言われようと今は変わらないわ」

 だめだった。いや、だめじゃない。今はしない、そう言ってる。あとたった2年待てばいい、それだけだ。18年待った。俺が二十歳になるまで1年と10ヶ月。その間、大学に入学し、色々イベントはある。すぐ過ぎる。22ヶ月。会いたい。長い。こんなに求めてる。今だってあなたを思って俺はこんなに苦しい、この苦しみのまま今日を過ごしきる事さえ息が止まりそうだ。これを22ヶ月。たった2年だが、あまりにも先の未来すぎて、俺には想像が出来ない。

 あなたに会いたい。

「わかりました。それまでに色々してみます」
「えぇ、いい男になってね。いい男に成長した君の方が性器ピアス似合うと思うわよ」
「わかりました」

 それから毎日のようにメッセージを送った。すぐに返信が来る時もあれば、1週間返信がない時もあった。返信が無く1日が終わる時は生きた心地がしなかった。俺はこの人のことを何も知らない。もし、ある日突然SNSのアカウントが無くなったら、連絡を取る術すら無い。そんな人が運命の人。運命とは、こんなに脆いものなのか。だから自分からしがみついた。離してはいけない。返信が来なくても、俺は送り続けた。

 わかったこと。紗季さんは30歳、若い時に女王様をしていたっぽい。ぽい、というのは、明言してくれないのだ。紗季さんを知ろうとすると、すぐにはぐらかされる。
「君はかわいいね」「君はいいこだ」そんな事を言われて俺は嬉しくなってしまう。
彼氏、セフレがいるのか聞いた時も、君の想像に任せるよ、と。想像なんてしたくない。紗季さんが俺の手を握ってくれる、そんな希望しか考えたくない。


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