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#48. 奇妙さに帰命したくない

こんばんは🌙

雨が降ると何か嫌なことが起こりそうな気がするのは私だけではない気がする。
突然の雨で髪型が崩れてもうむしろマイナスである私にさらに追い打ちをかけようとでもしているのだろうか。
マイナスにマイナスをかけてプラスになるのは数学と嫌いな人によくない出来事がおこったときだけだ。

6月以降1人目とはなんとも言えない奇妙な先輩後輩が続いている。
部署は違えど同じプロジェクトのチームではあるので私の手足となって動いてもらう必要がある。
新しい企画が浮上するたびに家の真ん前にあるファミレスに呼び出しをくらう。

かつてマブダチと3人で集まったことから同盟ができ、その同盟の名はこのファミレスから名付けられた。
今は色々あって休戦状態だ、あの夜を経て。
個別では集まるが3人では集まらない。
決してどこかが不仲ではない。
集まらない理由はよくわからないし考えたこともない。

翌朝が早いのに21:00過ぎの召集をかけるところは抜けているのか彼女らしいとも思う。
ご飯も食べていないらしい、一体どこをほっつき歩いていたんだろうか。

職場外でも話題に上がるのは職場の話で良くも悪くも盛り上がるし、心のどこかでは違う話をしたいという気持ちもわからなくもない。
部署が違うからお互いの話はどれも新鮮ではある。
とても楽しそうに話している姿を見ると無碍にはできない。

かつて関係を持った人に職場で話しかけると気まずそう、距離を感じるという相談をされた。
相談する相手、本当に俺で合ってる?
2ヶ月前俺に何したか覚えてないのだろうか。

え、それが原因でしょと真理をついても彼女はへ?と首を傾げてポカンとしている。
これだから無自覚は困る。
先日うちの先輩にも口説かれたんだって?
うまくいかなかった、どうしたら良かったと思う?と相談される身にもなっておくれ。
ちなみに先輩にはやめといた方がいいとやんわりお断りを伝えたから安心しておくれ。

最初からその気がないなら変な気を持たせるのはよくないぞ。
あざといのは大歓迎だが、ちゃんと道連れになる覚悟を持って共に沈もうじゃないか。
とか言いつつ、その先輩と沈まれたらむしろこっちが困る。
アフターフォローなんて御役御免だぞ、むしろこっちからそんなお約束は反故だ、期待に応えれずごめん、守られるべき人たちに保護されておくれ。

きっとこれからも企画のたびに呼び出される。
満更でもない私も私だし彼女も彼女だ。
思い思われふりふられ、心ここに在らず。

打ち合わせにどんな服を着ていけばいいですか?という質問に相手の男を誘惑する服がいいよと冗談めかしく返す。
全裸と通知が来たスマホを見た俺の気持ちを答えよ。目の前には上司がいる、この気まずさったらありゃしない。

何もなくても構わないさ
ただ君がそこに居るなら
夏が終わる音がする
ずっと傍にいたいと思った

夏音 / 優里

ともに過ごすはずだった夏は終わりを迎えようとしている。
やり残したことはないだろうか。
悔やんで句止んで最後は何も言えなかった。
死角を言い訳にして何も見えない私にそんな資格はない。
四角い無機質なテレビに反射して映る私の姿はいつもより暗く見えた。
暗いのは私の心が泣いているからなのか、打算でこのくらいが楽だと思い込んでいるからなのか。
そんな私を誰か喰らいつくしておくれ。

良い夜を🌙