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何が自分に合っているかを知るのは簡単ではない

不適切な比較

例えば今日はラーメンが食べたいなと思って、お店を探すとします。
麺は細いか太いか、あっさりかコッテリかなどを考え、口コミ見たり写真を見たりして幾つかのラーメン屋を比較して決めます。
この場合の比較は、適切な比較だと言えると思います。

じゃあ、その横にあった洋食屋を選ばなかったのは何故か?といえば単にその時はラーメンの口になっていただけです。
あるいは、ラーメンが食べたいと思って探したのだけど、ハンバーグの写真を見たらやっぱりそっちが良いと思うこともあります。
その場合、その隣のラーメン屋は洋食屋に劣っているのでしょうか?

そうではありませんね。
ハンバーグとラーメンのどちらが優れているかではなく、どちらの気分だったかというだけの話です。
だからこれはお店の優劣の比較にはなりません。

当たり前のこと過ぎて何を言ってるんだとお思いでしょう。
でもそういう次元の違う不適切な比較が意外とあるんです。

一回の食事のことならば間違えたって良いでしょう。でもそれが一生に一度の家を建てるという話ならば間違えられません。

家をどういう風に建てたいか、どんな家が自分に合っているかを知ることは、何を食べたいかを考えることほど簡単ではありません。

何を食べたいかが分かっていなければ、ラーメン屋同士を比べているつもりでも実はラーメン屋と洋食屋を比べていることもあるのです。

◇ ◇ ◇

家づくりの方法第2章は、ハウスメーカーの営業があまり言わないことを中心に、ハウスメーカーと設計事務所に頼んだ場合の違いを5 つのポイントから解説します。

1.設計の自由度
2.実際の工事費
3.設計と施工
4.比較が出来るのか
5.保証とメンテナンス

◇ ◇ ◇

4つ目のポイントは比較が出来るかどうか?です。



建物に生活を合わせるのか?


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ハウスメーカーに見積依頼をすれば、短時間で簡単な設計図と見積書が揃います。それを複数社取ることで比較検討が出来ますが、そのベースとなる仕様はそれぞれ全く違うものです。

ハウスメーカーの提案は、自由設計とはいってもそのメーカー独自の仕様やシステムの中での提案だからです。
冒頭の例えで言うと、飲食店ということが同じだけで中身はラーメン屋と洋食屋ほどに違います。

メーカーのシステム(そのお店のメニュー)の中で納得できるものを選ぶというのが、ハウスメーカーでの家の建て方です。

選択肢を限ることで価格の管理をしているので、細かな希望を出すと規格外のオプションとなり高額になります。

ラーメン屋でハンバーグを出してくれと言うようなものですね。



生活に合った建物をつくるのか?


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設計事務所は、まずお客様の希望をヒアリングし、こうしたいという生活の要望を図面化した後で、それにかかる費用を工務店に見積依頼をして算出します。

つまり、設計事務所は、あなたが今、そしてこの先に何を食べたいか食べるべきかを一緒に考える作業をします。
そしてそれがラーメンなのだと分かったらラーメン屋同士を比較します。ハンバーグなのだと分かれば洋食屋同士を比較します。

それが複数の工務店に依頼をして相見積もりを取ることです。


比較をするための時間

その見積書は設計事務所が精査をして一つ一つの費用を明確にして検討し、その上で取捨選択をして建設費を決定します。
よって実施設計が終わるまでその工事金額が算出できないことになります。

予算に見合った設計とするには設計事務所の経験値から予測をして設計を進めた上で、時に見積結果によっては設計変更をします。

それに要する時間がかかることが設計事務所に依頼した場合の最大のデメリットと言えます。


対してハウスメーカーの場合は、設計当初から工事見積が連動しているので、先に工事金額を決めてから進めることが出来る点がお客様にとっては最大の安心要素です。
決めることが多くないので、設計に必要な時間も短くて済みます。


食事で言えば、こだわって凝ったものを厳選する時もあれば、ファーストフードで良いやと言う時もあります。

それはそれぞれの状況によって判断も変わります。


何を食べたいかを分かりたいと思うなら

ハウスメーカーの場合は、ラーメン屋ならラーメンを勧めてくるし、洋食屋ならハンバーグを勧めてきます。ナポリタンかも知れないけど。。。

最初から食べたいものが決まっているならば問題ありません。

でももしそれが分からなくて、それを分かりたいと思うならば、適切な比較になっているかを考えてみてください。

面倒なことだけれど、どんな家が自分に合っているかは本当はそう簡単には分からないものです。
それを分かりたいと思うかどうか、それがそもそも比較する為の前提なのだと思います。


noteを始めてから、考えていることをどう書いたら伝わるだろうかと試行錯誤することが楽しくなりました。 まだまだ学ぶこと多く、他の人の文章を読んでは刺激を受けています。 僕の文章でお金が頂けるのであればそのお金は、他のクリエイターさんの有料記事購入に使わせていただきます。