人生デザイン講座(4)行き詰まりから抜け出す



今、仕事にやりがいを感じなくても大丈夫。いつでも新たなキャリアは築ける。



【行き詰まり思考】→  もう手詰まりだ

【人生デザイン思考】→  手詰まりなんてありえない。アイデアはいつでも生み出せるだから。



【行き詰まり思考】 → 唯一の正しいアイデアを見つけないと。

【人生デザイン思考】→未来の様々な可能性を探るためには、たくさんのアイデアが必要。




●「正解」よりも大胆なアイデアを!


ここでは、あなたの想像以上に多くのアイデアを生み出す方法を紹介したいと思う。実に多くの人々が、


・最初に思いついたアイデア

・完璧なアイデア

・問題をいっぱつで解決してくれるビックアイディア

・あなたが現在はまり込んでいる穴から引っ張り出してくれるようなアイディア


を求めるあまり、行き詰まってしまっている。「正解は1つだけ」と思うと、大きなプレッシャーがかかり、優柔不断になってしまう。


「確信が持てない」「失敗したくない」

「今回こそは成功させなきゃ」

「もっといいアイディア(正解、名案)さえ見つかれば、何もかもうまくいくのに…」


そう心配しているあなたに、ぜひ伝えておきたい衝撃的な事実がある。

何もかもうまくいくのだ。必ず


ある程度の選択肢、自由、移動手段、教育、テクノロジーに恵まれている現代社会で暮らす人々は、常に最高の結果にこだわる


探そうと思えば、常にもっと良いアイディア、もっと良い方法、そして最善の方法さえ見つかる。でも、この種の考え方はライフデザインでは危険だ。


あなたが実際に生きられる人生はたった1つでも、理想のライフデザインは何通りもあるのだ。

この考え方を受け入れれば心がぐっと自由になる。楽しい人生は1つではない。たとえ今あなたは何歳でも、幸せで実のある人生の形は何通りもある。そして、そういう全く別々の人生を生きるための道のりもまたたくさんあるのだ。


理想の人生が何通りもあり、その一つ一つに至る道が山ほどあるとすれば、無数のアイデアが考えられるはず。私たちがこれから紹介しようとしているのは、そういうアイデアを生み出すための道具だ。


ライフデザインでは、「」について面白い性質がある。多ければ多いほど良いと言う性質だ。思考の幅を広げればアイディアの想像のスキルもアップしイノベーションが生まれやすくなる。


アイデアを出せば出すほどあなたのエネルギーを高めるものが見つかる可能性がますしあなたにふさわしいもの。あなたが心から愛せるもの。が生み出しやすくなる。


アイデアを出し尽くしたいと思うなら、良し悪しの判断を先送りし、己の中の批評家の口を塞がないといけない。そうしなければ、いくつか良いアイデアが出ても、大多数のアイデアは黙殺されてしまうだろう。


脳の理性が私たちを失敗や事故から守るために建てた塀の内側に、アイデアが密かに閉じ込められてしまうのだ。


デザイナーが最終的に選ぶのは必ずしもクレイジーなアイディアではないが、クレイジーなアイデアをたくさん出せば、想像力に満ちた新しい世界へと進んだことになる。そして、うまくいく可能性のある斬新で画期的な選択肢が見えてくるのだ。


ライフデザイナーとして、2つの心情を守って欲しい。



①優れたアイデアが多ければ多いほど、その中からより良いアイデアを選べる。

②どんな問題であれ、絶対に最初に思いついた解決策を選ばない。








●行き詰まりを解決するには?



問題にはいろいろなレベルがある。その中でも、その場に居座ってなかなかどいてくれない問題のことを、私たちは「イカリ問題」と呼んでいる。


船のイカリと同じように、イカリ問題は私たちを1カ所に固定し、動きを止める。私たちを延々と行き詰まらせるのだ。理想のライフデザインを実践しようと思うなら、自分がイカリ問題で行き詰まっているかどうかに気づくことが大事だ。



著者の1人のデイブは気づくとイカリ問題を抱えていた。デイブは自宅に作業場を持っている。父親が一流の職人で、立派な作業場を持っていたので、当然デイブもおしゃれな作業場が欲しかった。ただし、デイブは職人と言うよりも修理屋タイプなので、父親と同じレイアウトの作業は不要だった。

そこで、入念な計画とメンテナンスにより、彼は一石二鳥のガレージを作り上げた。

車も停められる究極の作業場だ。で、彼はその作業場が気に入り、どこに住もうと同じようなガレージだけは一生手放すまいと誓った。そんな時、ビーチ沿いの家に引っ越した。引っ越してみて、物をしまう収納スペースが以前の家の5分の1しかないと気づいた。こうして、彼は何年も消えないイカリ問題につきまとわれる羽目になる。


最初の数年、デイブ3つの収納庫を借りる羽目になった。毎年、1つずつ収納庫を減らしていったが、自動車も止められないほどガレージを埋め尽くすガラクタの山は最後まで片付かなかった。彼はゴミ屋敷のようなガレージをもう5年以上も放置続け、すっかりその状態に慣れてしまった。4年間、毎年夏になると、「今年こそガレージを片付けて作業を作ろう」と誓うのだが、毎回ガラクタの山に圧倒されてしまう。

かつての完璧に近いガレージのレイアウトはまだ頭にまだ残っているが、永遠に実現しなそうだ。

彼は覚悟を決め、古い自転車の部品やVHSテープを片付け始めるが、一向に減っていかないガラクタの山にやる気をなくし、ついつい自分にできそうなトラックのオルタネーターの交換などに気が向いてしまう。


なぜデイブはこの問題にとらわれているのか?


彼は唯一の解決策。駐車場+作業場という完璧なレイアウトにとらわれているからだ。それはあまりにも遠い目標なのでデイブは挑戦すらしていない。そのため、家族はガレージのガラクタの山を縫うようにに住むのにすっかりなれきっている。この身動きの取れない状況から抜け出すには?


唯一の方法は、解決策を見直し、少しプロトタイプを作ってみることだ。たとえば、


①せめて作業台を設置し、大工とキャンプ用品だけでも収納する。

②小型の収納庫(応急的に)借り、月額100ドルで下のガレージを買い直すと考えてみる。

③プロセスに注目し、目標全体を小さな作業に分けてみる。

・いらなくなった本屋CDを得る。

・バイクは4台に減らす。

・床の空箱を捨てる。

・作業台から床の日曜大工の残骸を片付ける。


ポイントは、

完璧なガレージのイメージを捨て去り、その途中にある別の結果やステップ思い描き直している。デイブがかつての完璧なガレージのイメージ「唯一の解決策」にこだわり続けていれば、いつまでたってもどこにもたどり着けないだろう。難しすぎるからだ。難しすぎるとうまくいかない。デイブが行き詰まっているのは、

とうていうまくいかない解決策にみずからを縛り付けているからだ。


イカリ問題の本質とは、単に現在のやり方が間違っていると言う事だけではない。その根底には実は恐怖心がある。

ときには、今まで通りの無駄なやり方を続けている方が、大きな変化を試して余計に悪化するリスクを犯すよりも、気分的に楽なこともある。これは矛盾しているがよくある人間の行動だ。変化というものは常に不確かだし、がんばったからといってうまくいく保証は無い。恐れるのは当然だ。


では、どうすれば前に進めるのか?

小さなプロトタイプを作ってテストを繰り返し、失敗のリスクと恐怖を和らげるのは1つの手だ。プロトタイプが失敗するのはオッケー。プロトタイプはそのためにあるのだから。しかし、練り上げられたプロトタイプを、未来について貴重なヒントを与えてくれる。

プロトタイプは不安を和らげ、面白い疑問を提起し、あなたが起こそうとしている変化の成功の可能性について、データを与えてくれる。

デザイン思考の原則の1つに、「早めに失敗し、失敗を前進の糧にせよ」と言うものがある。怒り問題を抱えて身動きが取れなくなったら、1つの奇跡的なステップで巨大な問題を解決しようとするのではなく、様々な可能性を探り、あなたが起こそうとしている変化のプロトタイプ。つまり変化の安全な「ミニチュア版」をいくつか試してみよう。きっと行き詰まりから抜け出し、もっとクリエイティブな問題解決のアプローチが見つかるはず。プロトタイプについては、第6章で詳しく説明したいと思う。


さあ、あなたも行き詰まりから抜け出そう。たくさんのアイディア、たくさんの選択肢を見出そう。たくさんのアイデアを見出せば、あなたの人生のプロトタイプを作って試すことができる。あなたもそんなライフデザイナーになろう!



●やってみよう

①グッドタイム日誌を見直し、次の3つの活動に着目する。

・熱中した活動

・エネルギーが湧いてきた活動

・フロー状態に達したときの活動

②先程の3つの活動についてそれぞれ1つずつ、計3つのマインドマップを描く。

③マップの1番外側の項目の中から、目に飛び込んできたものを3つピックアップし、その3つを組み合わせた仕事の説明を書く。

それぞれの仕事について、あなたの役割を簡単にスケッチする。


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