【感想】映画アンパンマンが激深かつ激熱で泣いた話
ゴールデンウイーク、世間ではコナンだスラムダンクだマリオだで映画界隈が湧いている中、数年前のアンパンマンの映画について語らせてほしい。そして観てほしい。
勧められて観た『映画それいけアンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』が凄く良かったのだ。
この映画のテーマはおなじみの主題歌でもある『なんのために生まれて、なんのために生きるのか』である。
映画の途中、クルンが「どうして生まれてきたの?」「何のために生まれてきたの?」と色々なキャラクターに聞いて回るのだが、アンパンマンとバイキンマン以外は明確な答えが出せない、という場面が好きだ。
昔に読んだエッセイで、やなせ先生は「アンパンマンは絶対の正義で、バイキンマンはその対になる存在として作った」と仰っていた。主役2人は生まれた意味も生きる意味も明確で、2人が生い立ちからそれを語る部分は印象的だった。
先生が亡くなられた後の映画だけど、その辺りの土台がしっかり生きていた脚本で凄く良かったです。
「何のために生まれたのか?」私含めて答えられる大人がどれだけいるかって話ですよ…分からないまま終わる…そんなのはいやだ…
ここのアンサー部分でもあるジャムおじさんの台詞が本当に良く、ここにはあえて書かないので観て欲しいと思う。
熱いシーンその1
アンパンマンが崖から落ちるバイキンマンとクルンを助けた際、マントが破れて自分も落ちるのだが、そのシーンがめちゃくちゃかっこいい。イケメンすぎる。
そしてプチ遭難みたいになり、アンパンマンはお腹が空かせている敵のバイキンマンにも顔のパンを渡す。イケメンすぎる。
しかしバイキンマンは散々葛藤した後、食べない選択をして去っていく。
去る姿を見てクルンが「どうして食べないんだろう?美味しいのに…」と言うと、アンパンマンはビックリするほど無表情かつ無言で頷くのだが、細かいけどこのシーンがとても好きだ。
言うても子供向け映画なので、苦笑しながら「そうだね」と言ったり、「お腹いっぱいだったんだよ」と誤魔化しても良かったのに、ここの頷きに強いこだわりを感じた。
互いが互いに『何のために生きるのか』が分かってるからこその無言の頷きなのではないだろうか。それぞれの役割があって世界は回っている。
このあと施しに屈しかけたことに地団駄踏んで後悔するバイキンマンが凄く可愛いかった。萌えキャラか何かか?それを見て引いてるドキンちゃんも可愛いかった。私は可愛さでなんとかなると思っているワガママ女が好きなので、ドキンちゃんが昔から相当好きだ。
何よりも熱いラストシーン
ラスボスのメカにアンパンマンが取り込まれて絶体絶命の窮地に立たされ、ドキンちゃんらも含めた仲間全員で体当たりしながら救出しようとするのだが(バイキンマン以外は星の姿にされてるので打撃が弱い)
なんとバイキンマンが救出に参戦するのだ。
そしてここもよく観ていないと気付かないのだが、クルンが覚醒する時、仲間全員がクルンに気を取られる場面でも、バイキンマンだけは助ける手を一切止めないのだ。 あまりに熱い。
「こんなところで何やってんだアンパンマン!お前を倒すのは、アンパンマンを倒すのは、俺様だー!」
バイキンマンがこう叫び、魂の一発をぶち込んで救出するのだ。
そんなことってある…?
あまりにオタクが大好きな展開すぎる。
ここの中尾隆聖さんの演技、30年分の熱と魂が込められていて泣いた。 声優さんはやっぱり凄いな…
そして救出されたアンパンマンによるお約束のトドメのアンパンチなわけだが、ここもバイキンマンのUFOの上でアシストされながら決めるのだ。もう熱くてビチャビチャ泣いた。そういう展開大好きオタクなので
節目のシリーズ第30作なだけあって、作品根本のテーマに基づいたふさわしい映画だった。
自分は何のために生きるのか?それはいつか分かれば素敵だなと、そう思える、そう思ってもいいんだと教えてくれた。
子供にももちろん分かりやすい内容ながら、アンパンマンとバイキンマンの美学について考えさせられる部分が多く、大人にこそ観てほしい映画だと思った。
あとやっぱりオタク大好き展開が多いので…観てくれ!大人のオタク!(n回目)
余談だが、カバオが寝言で「オバカじゃないよ!カバオだよぉ!」とめちゃくちゃ魘されてた場面については、彼が普段いじめられてないか凄く心配になった。
おしまい
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