ぬりえ

静かな佇まいで
真っ直ぐに行く場所を
あなたは教えてくれるから
私はその背中を見つめて歩くだけ

今度は笑って私を見たから
これは嘘なんだってわかっちゃう
だって笑うはずない

塗り絵の線画をあなたは
丁寧に描き上げて
私が好きに塗ると
ちょっと不思議そうな顔する
だって塗り絵だから
どうしたっていいでしょうに

それでも正解の色を
あなたは教えてくれないのです
描かないのです

妙な趣味をお持ちで
茶化して伝えると
困ったみたいに悲しい顔して
離れてく

卒業アルバムを開いて
ひとつひとつ教えてくれてたのは
ただの気まぐれ?
鮮明な幼い記憶を
大事そうに抱えながら
教えてくれたのはどうして?

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